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2025.02.02 昼

この蕎麦、凡庸ではなく非凡。@凡味 そばきり

そば

前橋・高崎

1000円〜2999円

★★★★☆

高崎市にある蕎麦処『凡味 そばきり』を訪ねます。

その名前には「凡庸」な味といったニュアンスがあるが、実際の蕎麦はどうだろうか。答えは、まるで逆。洗練されながらも骨太な、確かな技術が生み出す「非凡」な一杯がここにはある。店主は、栃木・足利の名店「一茶庵本店」で修行を積んだ人物。一茶庵といえば、蕎麦界に大きな影響を与えた片倉康雄氏を祖とする名門。その流れを汲む高崎の一軒となれば、期待せずにはいられない。

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そして、この店の雰囲気がまた良い。古民家を改装した店内には、茶室を思わせる座敷席が広がり、控えめな照明が静かな時間を演出する。さらに、店の奥には手入れの行き届いた庭があり、窓の外に広がる緑が視界に潤いを与えてくれる。まるで寺の一室で蕎麦をすするような、そんな静かな時間がここには流れている。都会の喧騒から離れた、蕎麦を食べるための舞台装置だ。

今回いただいたのはオススメという「鴨汁そば」。

細打ちでありながら、食感は力強い。ホシが見える粗挽きの蕎麦は、噛むほどに風味が立ち上がる。そこに合わせるのは、濃厚な鴨汁。鴨の脂がじんわりと溶け込み、出汁のコクが深い余韻を残す。たっぷりの山椒がアクセントになり、食欲を加速させる。

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締めの蕎麦湯を注げば、その旨みを最後の一滴まで味わい尽くせる。まさに、蕎麦屋の醍醐味。

蕎麦というシンプルな料理だからこそ、技が際立つ。凡味などという言葉では到底収まりきらない、その名とは裏腹の非凡な味わい。高崎に訪れたら、ぜひともこの一杯を。ご馳走様でした。

凡味 そばきり
027-361-4928
群馬県高崎市問屋町西1-8-6
https://tabelog.com/gunma/A1001/A100102/10000142/

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