2025.01.24 夜 山国で味わう海の幸。@鮨 いぬかい 寿司 松本・美ヶ原・上高地 10000円〜29999円 ★★★★☆ 長野県松本市、もちろんここには海がない。だからこそ「どういう寿司を出すのか」、そんな疑問を抱きつつ、『鮨 いぬかい』の暖簾をくぐります。その答えを導き出すのは、店主の犬飼氏の情熱と行動力。一番近くの海である新潟の上越まで自ら車を走らせて往復3時間以上をかけて仕入れる徹底ぶり。その魚を目利きする姿勢や鮮度へのこだわりが、山国で寿司を提供するというハンデを克服します。 また、寿司を日常的に食べる文化が薄い長野県で修行先の1つは静岡の老舗「末廣鮨」。そこで培った技術と経験は、ただの調理技術にとどまりません。深夜から始まる過酷な労働をこなしつつ、魚の扱いや寿司の技術を磨き抜いてきた努力の結晶。どうやらそれこそが同店の礎となっているようです。また、寿司を日常的に食べる文化が薄い長野県で10年以上も愛され続けるのは、味はもちろんその仕事ぶりが評価されてのことなのでしょう。それでは、一品一品をご紹介していきましょう。「真鱈の白子と上越の水蛸」滑らかでクリーミーな白子と、弾力のある水蛸が。上越から仕入れる素材の鮮度が光る一皿。 「ズワイガニ」上越産のズワイガニを内子と外子とともに提供。蟹の甘みと旨味が凝縮されています。 「刺身盛り合わせ」銚子の鮪、水蛸、白バイ貝、烏賊、アラ。 「めぎすの一夜干し」深海魚めぎすを炭火焼きにした一品。キスに似た上品な旨味と香ばしさが楽しめます。 「蟹焼売」たっぷりの玉ねぎが甘みを引き出す蟹焼売。煎り酒が添えられ、蟹の旨味を存分に引き立てています。 「のどぐろ味噌漬け焼き」脂がたっぷり乗ったのどぐろを味噌漬けにして焼き上げた逸品。口の中で広がる濃厚な旨味が魅力です。 ここから握り。シャリは米酢をベースにほんのりと赤酢で香り付けした仕立て。酸味は控えめで、ネタを引き立てる裏方に徹しながらも、しっかりと存在感を感じさせます。小ぶりなサイズ感も特徴で、ネタとの一体感が際立ちます。「甘鯛の昆布締め」 「白魚の桜蒸し」 「墨烏賊」上越より。 「赤身」お腹 「中トロ」 「小肌」 「雲丹」根室より。 「小鯵」 「トロ」背中 「巻き海老」 「穴子」ツメで 「蟹手巻き」 「鉄火巻き」「干瓢巻き」実は干瓢は長野が名産地。 「玉子」 長野県松本市、海のないこの地の寿司はどんな寿司だったのか。それは、上越まで自ら足を運び、鮮度と品質を追い求める情熱。そして、修行時代に培った技術と忍耐。それらが結びついて、この地に寿司文化を根付かせているのだと感じました。ご馳走様です。 — 鮨 いぬかい0263-55-7457長野県松本市島内4252-7https://tabelog.com/nagano/A2002/A200201/20018952/