フグの季節限定！瀬戸内海の老舗旅館の味。@田中旅館

山口県熊毛郡上関町、瀬戸内海に浮かぶ長島に佇む『田中旅館』。

創業1919年、100年以上の歴史を刻む老舗の料理旅館。かつては旅館や晴れの日の宴席として地元に愛されてきた名店。現在は季節限定で営業し、河豚の季節のみ開かれる特別な舞台となっています。瀬戸内の海は潮流が早く、砂地が広がる絶好の環境。ここで育つ河豚は筋肉が引き締まり、適度な脂がのった極上の素材に育つ。その恵みを、贅沢なコース仕立てで堪能できるのが同店の醍醐味です。

それでは、ご紹介してまいりましょう。

「てっさ」
驚きはその量。2kgアップの河豚を丸々一匹使っているんだとか。薄造りの刺身が惜しみなく盛られ、一度は夢見た箸でザザ〜っと豪快なすくい方が叶います。笑　歯ごたえのある食感が、まさに「これぞ河豚！」と言わんばかりの存在感を放ちます。てっさには、てっぴ（皮）、身皮、遠江、腸のネギ巻き、エラと、河豚の多彩な部位が添えられ、味覚だけでなく視覚的にも楽しめます。

「塩焼き」
ふっくらと焼き上げられた河豚は、ぷるんとしたコラーゲン感がたまりません。絶妙な塩加減とフグの脂が相まって、噛むほどに旨味が溢れます。

「てっちり」
河豚からのみ染み出た出汁がスープの旨味の全てを支配。シンプルながら、骨感から滲み出る深い味わいが魅力的です。前述の刺身をしゃぶしゃぶにして食べる楽しみもあり、食感の変化が面白い一品です。

「白子焼き」
追加注文の白子は、橙を絞ってさっぱりと。とろけるようなクリーミーさと、柑橘の爽やかさが絶妙なバランスです。

「雑煮」
醤油仕立てのスープに浮かぶ餅が美味。河豚の出汁が醤油の風味を引き立て、シンプルながら奥深い味わいを作り上げています。

「雑炊」
てっちりの〆に供される雑炊は、味噌仕立て。フグの旨味を吸い込んだご飯は、ほっこりと心を温めてくれます。

「みかん」
最後に供される香の物とみかんで、さっぱりと口直し。締めくくりに相応しい一皿です。みかんの並ぶ景色にもほっこり。

瀬戸内海に浮かぶ島で、河豚を存分に堪能するひととき。田中旅館は、河豚そのもののポテンシャルを最大限に引き出しながら、温かみのあるおもてなしで特別な時間を作り出してくれます。ここでしか体験できない贅沢そのもの。次の冬もまたこの場所を訪れたくなる…そんな思いを胸に、旅館を後にしました。

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田中旅館
0820-62-0017
山口県熊毛郡上関町大字長島天神434-7
https://tabelog.com/yamaguchi/A3506/A350602/35000017/