2025.01.07 夜 特選松坂牛と冬の高級食材が織り成す饗宴@肉屋 田中 焼肉・肉料理 銀座・新橋・有楽町 50000円〜 ★★★★☆ 田中覚氏は、岐阜で祖父の代から続く精肉店をルーツに持ち、現在では東京、名古屋、岐阜、滋賀で「雪月花」ブランドを展開中。その中でも、『肉屋 田中』はグループの最上位に位置するラグジュアリーな店舗。最高級の和牛を中心に、だが。これに飽き足らず、あらゆる冬の高級食材を料理の中に組み込みます。 今回いただいたのは、月齢69ヶ月という超長期飼育の特選松坂牛。通常の出荷月齢を大幅に超えた長期飼育が実現する肉の成熟度は驚くべきもので、赤身には濃縮された深い旨味、脂は上品で口溶けがよく、圧倒的な味わいを保持しておりました。 コースの幕開けを飾るのは「八寸」。鮑、鳴門金時、車海老、八幡巻きなど縁起物が美しく盛り付けられ、和の季節感と肉割烹の技術が存分に表現されています。中でも八幡巻きは、牛蒡を肉で巻いた一品で、その肉の濃密な味わいが印象的。ちなみに、牛蒡は細く長く幸せが続きますようにという意味が込められた縁起物。 次に登場した「鯛昆布締めと肉の巻物」は、魚介と肉という異なる素材が調和した一品。肉のクリアな味わいが際立ち、魚介と並んでも違和感を感じさせません。 「クリのタタキ」では、強い昆布締めと炭火での仕上げが織りなす深い味わいを楽しみました。塩や辛子醤油と合わせることで、一層引き立つその味わい。 醤油漬けにした「うちももの棒鮨」など含めて、寿司や日本料理的なアプローチが説得力を持つのは、多いのはやはりクリアな味わいだからか。 「ヒレの竜田揚げ」は、田中氏が幼少期から慣れ親しんだという味。家庭的な要素を残しつつ、肉そのものの力が際立ちます。 そして「サーロインのしゃぶしゃぶ」では、肉のクリアな味わいを炭火で焼いた白子をポン酢に溶かしたタレでいただくという豪華すぎる演出。 メインディッシュの「シャトーブリアンのステーキ」は、このコースの頂点を飾るにふさわしい逸品。手で触れるだけで肉の状態を把握する職人技が生み出す仕上がりは絶品。脂の重さを一切感じさせないこの一皿は、素材の力を余すことなく引き出しています。 コースの締めには、炊き立てのご飯と同じ個体の牛肉を使用したしぐれ煮が登場。和牛の旨味がたっぷり詰まったしぐれ煮は、最後までコースの余韻を楽しませてくれる一品でした。甘辛い味付けがご飯と絶妙に合います。 その他の料理メモ。「大根のおぼろ昆布乗せ」出汁は河豚より 「お椀」越前蟹。出汁はかなり甘めな設定 「コンソメスープ」口直しと紹介されたが、濃厚すぎるトリプルコンソメ。しかもラーメン入り。笑 「水物」メロンとイチゴ。 田中覚氏の和牛文化への深い理解と情熱、そしてそれを世界に広げようとする使命感が会話から伝わってまいります。ご馳走様でした。 — 肉屋 田中03-6280-6529東京都中央区銀座6-4-3 GICROS GINZA GEMS 9Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13237628/