発酵をテーマにしたモダンフレンチ『TOUMIN』を訪ねます。
グランメゾンを中心としたフレンチで腕を磨いた本格派がたどり着いたのが発酵。TOUMINはもちろん”冬眠”のことで、まさに冬眠=発酵させて力を蓄えた食材たちが主役だ。
カウンターからは発酵中の食材たちをのぞくことができるが、その中には野菜や果物だけでなく、魚醤ならぬ肉醤まで並んでおります。
発酵が作る複雑な味わいが、多くの食材を組み合わせずともユニークなプレートの提案に繋がっております。また、発酵のおかげで食材の旬をずらし、意外な食材たちがランデブーしているのも面白い。
それでは、新感覚の発酵モダンフレンチをご紹介してまいりましょう。
「北寄貝 パプリカ ミニトマト」
北海道函館港の北寄貝。貝の塩気、潮気が食欲をそそります。貝だけでなく、比内地鶏や昆布の旨味も参加しております。ローストしたパプリカの玉子豆腐うまし。新銀杏なんかも脇を固めております。
「縞鰺 発酵筍」
兵庫県柴山港の縞鯵。脂の乗ったものを一週間寝かせてさらに旨味をひきだす。下には薄くスライスした生のゴーヤが敷かれているが、このシャキシャキ感と味わいが清涼感を作ります。普段、夏の食材と出会うことのない筍は、発酵により塩気と酸味を持ってお皿にインパクトを作ります。出汁は縞鯵の骨でとったものを使うなどサステナブルの表情も。
「エチュベ」
TOUMINのスペシャリテ。25種類もの野菜をそれぞれに違った調理を施し、最後に野菜の出汁で蒸したもの。ソースのは発酵した木の子をはじめ、ビーツやカリフラワーなど季節の食材も参加。きっと季節ごとに違った表情を見せてくれることでしょう。
「枝豆葛豆腐 羆醬 甘海老」
むっちりした食感の葛豆腐に兵庫県産の甘海老を重ねて。ここで前述の羆の醬が使われているのだが、これは8ヶ月も発酵したものだそうだ。その濃厚な味わいは目玉が飛び出そうなほど。発酵の凄さを改めて再確認。
「万願寺唐辛子 鮎 発酵トマト」
ササニシキを使った鮎のリゾット。鮎の風味に加えて炭火の香りに発酵トマトの酸味が参加しております。山梨県産の万願寺唐辛子の中には、一晩寝かせた白烏賊を詰めて。メロンの硬い部分をピクルスもあるが、いろんな意味での発酵が一皿の中に込められます。
「マハタ 発酵白菜」
長崎県五島列島のマハタのムニエル。バターで炒めた発酵白菜のソースが、塩気と酸味を十分に作ってくれます。付け合わせは、空芯菜とグリーンアスパラ。新潟の伝統の発酵調味料のかんずりが寄り添うが、この発酵の徹底っぷりは実にコンセプチュアルで好感度が高い。
「銀の鴨 ズッキーニ」
青森県新郷村の銀の鴨。皮はパリパリで中はレア。鴨の筋や骨や野菜でソースを作ります。発酵マンゴーの皮にクミンやコリアンダーを加えたスパイスが美味。しっかり発酵エッセンスは加えてきます。
「焼き茄子のすり流し素麺 鮑」
夏にぴったりなさっぱりの素麺が締め。食感のしっかりとした素麺につき、茄子を焼いた香ばしさがビビッドに感じられます。無花果の葉っぱのオイルをアクセントに。
「ゴールドバレル」
沖縄産のソルベ
「桃 ブルーベリー」
「お茶菓子」
パンナコッタ
ご馳走様でした。
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TOUMIN
050-5594-3071
東京都港区西麻布2-24-14 バルビゾン73 2F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13289429/