2024.08.22 夜 徳は本なり、財は末なり。@徳ㇵ本也 日本料理 京都市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 京都の閑静な住宅街に誕生した日本料理店『徳ㇵ本也』へ。 ユニークな屋号だが、これは中国の古典の一節から引用されている。徳を積み、励むことを大事とするという意味だ。ご主人である松本氏のキャリアはまさにそのまま。京都の名店「和久傳」で長く料理長を務めており、老舗で徳と技術を積み、真摯に仕事に励み続けた人物なのだ。 多くの和久傳系の料理人に共通するように、実にユニークな料理のアプローチが特徴。それは、料理にとどまることなく、我々へのプレゼンテーションにも共通する。その1つが、囲炉裏の焼き台だ。 風情を作り上げると同時に、囲炉裏だからこその個性を手に入れます。例えば、この季節は鮎。太めの竹串で焼かれた鮎は、余計な脂が落ちるがゆえかふっくらと軽い身のニュアンスに。 その他のユニークな料理たちはこちら。 「鮎素麺」琵琶湖産の鮎と素麺を組み合わせた涼しげな逸品。炭焼きの香ばしさも出汁に加わる。 「枝豆豆腐」枝豆の優しいコクに山葵と醤油がアクセント。 「無花果」城陽の無花果と丹波牛の味噌漬けの組み合わせ。木の芽が味に輪郭を作るアクセント。 「御椀」鼈と冬瓜のお椀。出汁と鼈を別で炊いたそうで、素材の味がビビッドに。ゼラチンの風味が出汁をじわじわと変化させていきます。 「御造」鮑とメイチダイと車海老。 「鰹」気仙沼産の脂ののった鰹。太白胡麻油と醤油のゼリーが濃厚なニュアンスを作ります。 「鱧」鰻ざくならぬ、鱧ざく。産地は淡路より。 「賀茂茄子」田楽。たっぷりの雲丹を重ねて。 「炊合せ」鱧松茸。中国産とのことだが、香りも十分。 「琵琶鱒とイクラご飯」いとこご飯 「鱧茶漬け」 「桃シャーベット」白ワインのゼリーと。 「自家製蕨餅」 ちなみに、”徳は本なり”の一節は、”財は末なり”と続く。直訳すれば、徳が大切で、財は大したことではないという意味だが、現代ではななかなかそうもいくまい。財はもちろん必要なものだが、徳があってこそ財が集まってくるということこそ真理だろう。きっと松本氏が積んできた大きな徳があったからこそ、財へと続く人気が集まっているということなのだ。勉強になります!ご馳走様でした。 — 徳ㇵ本也075-708-7425京都府京都市上京区新御霊口町287-5https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26040349/