高知県が誇る有名店「座屋」のオーナーシェフ、岡添将人氏。
2002年に高知で創業し、2005年に神戸、2008年には銀座に進出。その後、スペインのマドリードでも成功を収め、全世界を飛び回るスーパーシェフになっております。だが、彼の拠点は今でも高知にある。その証拠と言わんばかりに、2021年にご自身の名前を冠した『将人』を高知で創業しております。いわば、彼の集大成ということなのでしょう。ちなみに、営業はシェフがいる日のみ。タイミングによってはなかなかの争奪戦が繰り広げられているようです。
料理は高知の食材を中心に構成され、遊び心に富んだアプローチでファンを喜ばせる。テロワール、パフォーマンス、サステナブルなど、昨今のグルメのポイントをしっかりおさえており、複数店舗を人気店に押し上げた結果には納得するばかり。それではさっそくご紹介してまいりましょう。
「茄子の揚げ浸し」甘海老と雲丹を重ねて。味の染みた茄子に昆布のジュレで旨味を、柚子で香を追加。一定の強めの塩気も夏にぴったりな味わいに。
「太刀魚のお椀」高知産の太刀魚を使った真薯に、糸瓜と茶豆を包み込んで。しっとりとした口当たりの中にたっぷりの脂の旨味が。出汁も鰹の香る華やかなアウトプット。
「お造り」メジナ、イサキ、アコウ、ミズタコ。
「鰹の藁焼き」高知名物の鰹は厚めのあるカットで提供。複数の調味料が楽しめるように三分の一にカットされております。、伝統料理のアップデートはトレンドだが、従来的な鰹の食べ方を因数分解したようで面白い。さらに、1つ1つの調味料へのこだわりは強く、塩などは星付きレストランも重用する田野屋塩二郎と作り上げた、オリジナルの鰹専用塩なんだとか。
「金目鯛」地産の金目鯛に、土佐酢を使った鬼おろしの組み合わせ。テロワールを感じる一品。
「鱧と無花果」地産の無花果を鱧で巻き込んで揚げたもの。個人的にはフルーツの料理はポジティブではないが、全く違和感がなく、むしろ茄子のような雰囲気の使い方。胡麻がきいた利休餡とともに。柑橘でフレッシュさを作るのも将人流で、この料理にはブッシュカンが登場。
「鮑麺」を鮑の肝で和えた、お隣の徳島県産の半田そうめん。こちらでは酢橘が使われる。
「白甘鯛」胡麻油の風味を含めて中華料理風のアウトプットですが、辛味を作る薬味は和風食材ばかり。
「赤牛のカツサンド」土佐産の赤牛がメインを担当。超絶柔らかいヒレ肉が最高です。
ここから8種類にも及ぶ怒涛の食事タイム。土鍋で炊いたご飯をあの手この手で食べさせてくれるのです。お米自体は93歳のおばあちゃんが作っているという代物。粒は小さめながら、しっかりと米のたった炊き具合で、じっくりと甘味を楽しめるものになっております。
「白米」まずはそのまま!
「TKG」土佐ジローを使ったTKGを飲み物感覚で。
「鰹漬け」締めにも名物は登場。
「じゃこご飯」仁淀川の実山椒と高知産の甘長唐辛子を添えて。
「塩ご飯」こちらもご飯用に田野屋塩二郎に作ってもらったもの。
「鮎ご飯」干物の鮎に内臓のソース
「カレー」赤牛の残りを使ったもの。サステナブル!
「おこげ」醤油はちらっと垂らして。
最後はチーズケーキ。シェフが展開するスペインの料理文化を取り入れたデザート、バスクチーズケーキでございます。これに少しの塩をつけるとまた絶品。
グルメが押さえるべきポイントを押さえに押さえたコース料理。ぜひ堪能してみてください。ご馳走様でした。
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将人
088-824-1308
高知県高知市廿代町2-8 1F
https://tabelog.com/kochi/A3901/A390101/39007487/