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2024.07.28 昼

飯田のテロワール。食材と文化を食べる。@柚木元

日本料理

長野

30000円〜49999円

★★★★★

食通が通い詰める日本料理店がある。

『柚木元』

ずばり、招福楼で修行した大将の高い技術力と飯田を含めた長野のテロワールが魅力。四季折々に名物があり、春は山菜、夏は鮎や鰻、秋はキノコ、冬は熊といった感じ。特に、秋の松茸シーズンなどはプラチナチケットとして知られます。ただし、地産地消という言葉の枠内ではなく、食を通じて、長野の文化や課題などへの取り組みも見えてくる。

そのあたりに注目しつつ、コースの内容をご紹介してまいりましょう。

「八寸」長野が誇る夏野菜の共演でございます。実山椒の刺激のある枝豆の冷たい茶碗蒸し、焼いたヤングコーンとヒゲのマリネに鮎のアンチョビ入りのトマトのジュレを合わせたもの、サフォーク種を使った羊のちまき、天然あまごの酢の物、鉄火なすの味噌炒め、間引きトマトのピクルス、インゲン豆の胡麻酢ソース。

「御椀」煮豆の材料となる花豆のすりながし。甘味の強さが特徴でまるで和菓子のようなお椀。出汁に浮かぶのは長野県産の潤菜。見たことのない大きさ。

「御造」長野県飯田産の天龍鮎の背越しにて。産地だからこそのアウトプットで、その食感が心地良い。酢味噌に合わせていただくが、冷や汁みたいで涼しい。

「おやき」長野県の郷土料理にして、柚木元のスペシャリテ。長野の中でも食文化に違いがあるそうで、南は中華っぽいモチッとしたアウトプットが特徴なんだとか。中身はシーズンで変わるが、この時期のおやきは、天然鼈のほぐし身、セミドライトマトを紫蘇で包んだもの。餡の1つ1つがちゃんと活躍しております。

「茄子」天龍村の特産品である、ていざなす。その特徴はとにかく大きいこと、そして、加熱するとまろやかな味わいでたっぷりの甘味を持つこと。

胡麻の餡掛けでいただきましたが、美味しい胡麻でコーティングしてもなお茄子の味がしっかり主張してきます。

「ザリガニ」飛竜頭仕立てで。なんと100匹分もの出汁を抽出したものだとか。完全に甲殻類の旨味ばかりで、生姜のアクセントなんかもあってか臭みは全くない。

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これはきっと相当な手間暇をかけた結果なのでしょう。地元の大量の特定外来生物を使った料理、テロワールを守るための料理とも言えますね。

「鮎」塩焼きはたくさん食べているでしょうからと、春巻き仕立てで。骨やワタを一度外してカリカリに仕上げて、開いた身に戻す。いわゆる再構築された鮎。苦味が完全に軽減されており、鮎の旨味ばかりを残します。

「パプリカ」ピーマンではなく、青いまま収穫されたパプリカの肉詰め。地元ではトマトが取れすぎるのでピュレで保存する文化があるらしいが、これと細かく刻んだ自家製のらっきょうを合わせたもの。ジャージー牛のミルクで作ったチーズも加わる。肉詰めの柔らかいタッチが上質。

「玉蜀黍」朝採れ、生搾りの玉蜀黍の冷製スープ。火を使わないってことは、もはやジュースじゃないですか。素材の甘味の強さに驚くこと必至。

「鰻白焼き」この日のメインは鰻。まずは白焼きを個体違いで、5種類。筋肉量と脂の違いをが面白い。

「鰻肝焼き」

「鰻蒲焼き」食事は大きな織部の器に並べられた鰻たち。

これをおかずに米を食べるの贅沢すぎない?笑 リストランテ的な雰囲気の中で、大衆的な楽しみ方。ミトミえもん、こういうことに一番贅沢を感じます。

「デザート」桃とコーヒーゼリーのパフェ

ご馳走様でした。

柚木元
0265-23-5210
長野県飯田市東和町2-43-1
https://tabelog.com/nagano/A2006/A200603/20004238/

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