中華料理店『銀座上瀧 (GINZA JOTAKI)』を訪ねます。
屋号はシェフの上瀧剛氏のお名前が由来。中国宮廷料理をベースにしつつ、ここに日本が誇る一級の食材を組み合わせた料理をコンセプトに掲げる。宮廷料理といえば北京料理を想像するが、実際は広東、四川、上海と網羅的なアプローチでコースが設計されております。
名物である北京ダックこそ堂々と北京料理ではあるが、それ以外はむしろ物理的な部分への意識とみていいでしょう。高価で、希少で、大変で、華美で、そんな料理が銀座上瀧流なのであります。それでは、そんなエッセンスがふんだんに散りばめられた料理達をご覧ください。
「呼子産アオリイカとベルーガキャビア」
真ん中の甘い部分だけトリミングした烏賊。ここにたっぷりとキャビアが重ねられます。
「干し貝柱入り気仙沼産フカヒレスープ」
楊貴妃が好んだという逸品。特にスープに手が込んでおり、鶏の旨みエキスだけを抽出するのに5日もかけているのだとか。
「蒸し黒鮑と雲丹の冷製 ネギソース添え」
黒鮑の紹興酒蒸し。唐津の赤雲丹を重ねて。
「上田畜産神戸ビーフ但馬玄の潮州式煮込み」
使われる部位がホホ、スネ、アキレス腱というのが面白い。一般的ではない部位を使ってユニークな料理を作るのはアイデアと技術があってこそ。後半、花巻に挟み込めば超絶リッチな肉まんの完成です。
「有明海産超希少揚巻貝の豆豉炒め」
有明海でたったの2週間しか収穫できないものなんだとか。貝自体もうまいが、味付けも秀逸。火入れのレベルの高さは貝だけでなく、シャキシャキの野菜が証明しております。
「唐津産キジハタと伊勢海老の酸辣仕立て」
しっとりとしたキジハタの火入れがさすがで、胡椒の辛味を強く効かせた仕立てが抜群。そういえば、佐賀県の食材の割合が多いようだが、実はシェフの出身地だそうで、かつては佐賀でレストランを主宰していたそう。当時作ったルートを今でも大切にしているのですね。
「宮廷式釜焼き北京ダック」
さぁ、スペシャリテの登場です。実は銀座内で移転経験があるが、大きな北京ダックを焼ける釜を使うために移転したのだとか。融点が低く口の中でスッととろけていく印象で、あぶられた皮の香ばしいニュアンスが超絶ポジティブ。甜麺醤からもコクと旨味が感じられるなど、名物にふさわしい逸品に仕上がっております。
「気仙沼産フカヒレの姿煮込み キャビア・雲丹乗せ」
乾燥している皮の状態で仕入れて、自身のお店で下拵えをしているそう。多くの中華料理店は、餡をかけるというニュアンスのアプローチらしいが、上瀧流は煮込むことを意識しているのだとか。そのこだわりのフカヒレに、さらにキャビアと雲丹をたっぷり。贅沢ですねぇ。
「花椒瘅 上瀧麻婆豆腐」
実はシェフのキャリアのスタートは四川料理だったとか。
「杏仁豆腐ココナッツミルク」
いかがでしたか?
高価で、希少で、大変で、華美で、そんな料理ばかりだったでしょう。ご馳走様でした。
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銀座 上瀧
050-5869-4846
東京都中央区銀座7-5-15 AG1ビル 3F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13267801/