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2024.01.23 夜

美しく、楽しく、そして実に説得力のある料理達。@ル・マンジュ・トゥー

フレンチ

四ツ谷・市ヶ谷・飯田橋

30000円〜49999円

★★★★☆

日本におけるフランス料理界にその名を刻む料理人、谷昇シェフ。

都内の数々のフレンチを渡り歩き、二度に渡って渡仏。1994年に神楽坂エリアに『ル・マンジュ・トゥー』をオープンさせ、長きに渡ってミシュランの星をとり続けるなど、その経歴に隙がない。写真の撮影やインスタグラムなどのSNS投稿をお断りしているが、そのスタンス同様に料理にも浮ついたところが微塵もない。かといって堅苦しいものではなく、美しく、楽しく、そして実に説得力のある料理が並びます。

料理に不思議と軽やかさを感じるのは、シェフの柔和の性格によるものだろうか。古希をお迎えられ、もう好きにやりたいと一日1組か2組程度しか受け入れていないというが、これが肩の力が抜けた洒脱さに繋がっているのだろうか。いや、むしろ料理と向き合う時間が増えて、一周回って、さらに凄みを増した結果なのかもしれません、

お写真をお見せできないのが残念ですが、素晴らしいお料理の感想を少々。

「蕪」
フランスの郷土料理であるグラタンを見事に昇華。蕪は身だけでなく、葉っぱのペーストも重ねて、味に深みを出します。

「蝦夷鹿」
スペシャリテとされる一品で、水を一切使わずに蝦夷鹿を赤ワインばかりで煮込んだコンソメスープ。一切の具材がなく、シンプルに鹿肉の旨味という野生味をいただく。シンプルがゆえに、その力強さが強調されます。一般的なフレンチとはベクトルが異なる引き算の料理。

「猪とモリーユ茸」
猪やフォアグラを使ったクリーム仕立ての料理。蜂の巣のようになっているモリーユ茸を重ねるが、味だけでなくデザインとしてもこれを活かす。土筆の先っぽのようで可愛い。イベリコベジョータが塩気を足して、くわいがシャキシャキとした食感を足す。食材の個性を見事に活かし、重ねて一皿。

「伊勢海老」
辣子鶏のような中華風のアプローチ。唐辛子に埋もれた伊勢海老に、粒胡椒やトルコのスパイスなどを重ねます。火入自体はかなりレアめで、強い食感と共にスパイスを楽しませる仕掛け。伊勢海老出汁の濃厚なスープもワインとのマリアージュに寄与しております。

「松阪牛」
松阪牛ながらシンシンを使った料理は、まるでサラダのような軽さ。醤油や和芥子の存在も、我々にとっての安心に繋がっているのでしょう。

「グジ」
厚みのある大胆のカットで、松笠揚げに仕上がる。その下にはちぢみほうれん草やキャベツを使ったソースを。スパイスで輪郭を作ります。

「鴨」
銃の鴨は一切使わずに網のものだけにこだわる。鴨の旨味が品よく香ります。胸、背、笹身とそれぞれに美味だが、心臓と砂肝とレバーと作ったというソーセージがずば抜けて美味。ソースは鴨血と赤ワインを利用した王道のソースで、フレンチが長い年月で蓄積した重みさえも伝えてくれます。

「苺」
ル・マンジュ・トゥー流のいちごみるく。

「チーズケーキ」
目白の名店、エーグルドゥースとのコラボ。巨匠同士のコラボ、、、笑

ご馳走様でした。

ル・マンジュ・トゥー
03-3268-5911
東京都新宿区納戸町22
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13000469/

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