パティシエが作るフルコース、それが『Yama』のアイデンティティーだ。レストランのスイーツといえば、食事の最後を飾るのが一般的だが、最初から最後までデセールのみで設計されております。まさに、ここは常識破りな”お菓子な”レストランなのだ。移転前から恵比寿で完成度の高いコースを提供していたが、移転後には空間を含めた世界観がアップグレードしております。ミシュランにデセールのジャンルはないが、もし設立されればきっと最初に獲得するのはここだろう。
今月のテーマは「熟成栗」。料理は順を追ってご紹介してまいりましょう。
「胡桃/栗」
北海道産の胡桃。胡桃の真ん中にはビスケットのような生地を挟みこむ。ローストされていないだけに、胡桃本来の香りを堪能できる一品でスタート。ペアリングのティーは栗のお茶。
「caprese/胡椒と昆布みかん(温)」
カプレーゼはスイーツに。カプレーゼは、バジルのパンナコッタ、トマトのジュレ、天草のオリーブオイル、トマトのグラニテへと因数分解されます。極め付けは、ペアリングされたティーの胡椒。これでカプレーゼの完成だ。
「シークーの香り/胡椒と昆布みかん(冷)」
鹿児島の離島の在来種であるシークーのデセール。シークヮーサーとは違うもので、酸味の強さやベルガモットのような香りが特徴です。柚子釜のようなシルエットで登場し、中にはブラッドオレンジや桶柑などの柑橘類や蕨餅などが隠される。どこをとっても、シークーの程よい酸味と苦味が感じられる。蕨餅のもちもち感は食感のアクセントに。
「初雪/レモンバーベナとミント」
これは凄い、、、霜柱の上に降った雪を表現しており、春への期待感はその下にある蕗の薹のアイスに追わせます。さらにその下に苺を重ねているが、これも甘さを抑えて全体のバランスをとる。雪のエッセンスからなのか、蕗の薹からなのか、どうしてこんな料理が思いたのだろうか。答えは、ドラマの初恋からなんですって。世界観を料理にするアプローチに、天才度の高さを再認識。
「熟成栗/焙煎焙じ茶」
今度の世界観は田舎。グラスに藁の香りをつけて、まるで野焼きしている田んぼを想像させます。熟成したしっとり感のある栗には蕎麦のソースを重ねる。
「白胡麻/玉露と抹茶」
胡麻油のような強烈な香りを提供しつつも、すっと消えていくニュアンスに驚くばかり。星野製茶の玉露も、味を都度都度きる役割を担います。
「Kinu/ジャスミン金木犀茶」
初めての訪問で震えるほど感動した逸品。2月に栗料理?となりますが、答えは熟成しているからです。その結果として、驚くほどしっとりした食感に仕上がり、栗にありがちな水分を奪われるようなことは一切なし。その下に隠された米のピュレの旨味も抜群で、唯一無二の世界一繊細なモンブランを完成させております。
「レモン」
口直しのグラニテ。サウナにおける水風呂のような働きか。
「林檎のスフレ/モンターニュドールと薔薇」
ふわふわなスフレの下には自家製レーズン、お供にはタヒチのバニラアイス。
お茶は香水にもなろうかというほど、花の香りいっぱいのティーを合わせて。
「苺飴」
苺の中にピスタチオのカスタード。程よい飴感がモダンなスイーツの中に懐かしさも散りばめてくれます。
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1回目の訪問
「震えるほどの感動。圧巻の栗ご飯。@Yama」
https://blog.33inc.jp/2021/11/28/yama/
Yama
東京都港区白金6-16-41 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1316/A131602/13279936/