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2022.12.19 夜

素朴で忠実。だから毎日でも食べたい。@仁修樓

中華料理

京都市

30000円〜49999円

★★★★★

京都の中華料理店『仁修樓』では、最初にこの漢詩が迎えてくれます。

小有余芳洒一杯
水邊亭子長莓苔
黄雞白菜尋常味
一到村頭便好来

小さな居酒屋で一杯の酒を飲む。辺の東屋からは苔や草木の庭が見える。この店の、地鶏や白菜の料理からは食材の味がしているだけなのだが、この村に立ち寄ると不思議とこの店に足が向かう。といった内容だそうだ。素朴で、素材の味に忠実で、だから毎日でも食べたくなる。そんな意味だろう。昨今の映え料理へのアンチテーゼのようでもあり、日本人の精神性である侘び寂びにも共通する感覚だ。この方向性には個人的にも激しく同意したい。何周も回って素朴な料理こそが最大の贅沢と感じます。

料理は見事にコンセプトを体現したものばかり。1つ1つご紹介してまいりましょう。

「當帰羊脛炖」漢方の延長にあるような明らかに滋養のあるスープ。底冷えする季節にぴったりな一品からスタート。スープに浮かぶのはキヌガサタケ。

「避風塘鰒魚」レアさを残した河豚の揚げ物に、ニンニクなどの香辛料を合わせたパン粉を重ねて。シェフはマックナゲット風と笑うが、これがファストフードで売ってるなら毎日通います。笑

「錦綉花拼盤」中華料理版の八寸。色も味も食感も、中華の引き出しの多さを理解させるのに十分すぎる盛り合わせ。海月の甘酢漬け、八角風味の牛脛肉、上海蟹の小籠包、猪の焼売、ピーカンナッツとカシューナッツ、蟹爪フライのチリソース、地鶏の手羽先などなど。手羽先の圧倒的な中華調味料の旨味にただただ驚き。

「蟹粉灌湯餃」スープ餃子風の一皿。中身は上海蟹と鱶鰭。これを崩してスープに溶かせば贅沢すぎる上湯スープが完成する。スープ自体のとろみも特徴的で、これが味をビビッドに伝える役割を果たしてくれます。

「広東式焼鴨」京都が誇る国産合鴨である七谷鴨を使用。中華で鴨といえば、皮を食べさせる北京ダックを想像させるが、仁修樓では皮だけでなく身も主役の1つ。厳密には皮目がめちゃくちゃ美味いのだ。

ちなみに、丸のまま焼くオリジナルの機材やカットするための板金加工など、ユニークなアイテムの数々も必見。味噌のようなコクのあるソースと合わせて。

「珊瑚炒時蔬」スティックセニョールに、上海蟹と上湯を合わせた餡掛けを。確かに内子が珊瑚のようだ。

「白湯扒排翅」鱶鰭と雲子。白湯スープと上湯スープの合わせ技。

「XO炒香米」XO醬で作った炒飯の出番です。お手本のようなパラパラ炒飯はXO醬のみで味付け。

「美味甜点心」マンゴーミルクのデザート

最後にもう1つデザートをおまけ。可愛すぎる豚まんシルエットで登場するが、中身は塩漬け卵のカスタード。口元をカットすれば、ぶひーとヨダレのようにソースが流れ出します。演出としても可愛いが、熱々で火傷しないように配慮のようです。それにしても、これだけ漢字のたくさん見た日もないだろうな。笑

仁修樓
075-366-8843
京都府京都市北区紫竹北栗栖町2-12
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260503/26033124/

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