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2022.08.17 夜

原点回帰。クラシックをカジュアルに。@au deco

フレンチ

渋谷・恵比寿・代官山

10000円〜29999円

★★★★☆

グルメにイノベーティブの揺り戻しが来ている、と思う。

スペインにあった伝説のレストラン「エル・ブジ」が牽引した分子ガストロノミーをはじめ、料理のジャンルの垣根を超えたフュージョン料理など、料理界がモダンガストロノミー全盛にあったのは記憶に新しい。その揺り戻しが来たのか、素材リスペクト型のシンプルな料理や原始的な火入れである薪焼きなどに注目が集まっている。ファッションや音楽などの文化も同様だが、食のブームが周回していくのは面白い。

原点回帰、そんな言葉が似合うフレンチ『au deco』だ。

仕掛け人の掛川氏は、クラシックやイノベーティブを学んだシェフ。そして、ビストロの「Äta」を創業。あらゆる角度からフレンチを学んだシェフの新展開こそが原点回帰、クラシックなフレンチなのです。とは言っても、料理はビストロのようにアラカルトで提供。また、ビンテージワインもグラスで提供するなど、フレンチ特有の敷居の高さは取り払う。そして、料理はしっかりフレンチを土台にしており、だが、原点に回帰するだけでなく、原点を進化させようという意志を感じます。シンプルにいい店だ。

前菜からワインの名産地の生まれのクラシックな料理から始まる。ブルゴーニュ地方の郷土料理、ブルギニョンバターだ。エスカルゴを使うことが多いが、ここで使われるのは白ばい貝。さっそくワインとの相性を作り出します。

そして、同店の名物はフレンチお馴染みの「パイ包み焼き」。ただし、並のパイ包み焼きではない。

中はたっぷりのズワイガニの身と蟹味噌、これにスクランブルエッグを合わせます。蟹を殻もむかずにこれだけ豪快に食べれるなんて、なんて幸せなのでしょう。シェフはここにお母さんの卵焼きのような優しいニュアンスも込めているそうです。我々の食体験としての原点まで再現してくれております。

その他、冷前菜2つとメインを1つ。

「カリフラワーのムース」ウニ、イクラ、キャビアのリッチな魚卵の共演。これに負けぬコンソメの強さとカリフラワーの甘さ。

「鮎のコンフィとガスパチョ」涼しげなアプトプット。鮎の柔らかい火入れが絶品。初夏の野菜のクスクスと鞘大根を添えて。

「ロゼール産仔羊背肉の香草焼き」王道だからこそ際立つミルキーな肉自体のニュアンス。エストラゴンのソースといただきます。

au deco
050-5456-0546
東京都渋谷区恵比寿2-23-3
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13232146/

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