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2022.08.09 夜

名古屋に誕生した期待の新店。@橦木町 しみず

日本料理

名古屋市

30000円〜49999円

★★★★☆

渡る名古屋に鬼はなし。

名古屋といえば、天ぷらや寿司など有名料理店が抜けてばかりのイメージ。だが、渡る世間に鬼はない。去ってしまう店があっても、次々に期待の新店が生まれております。今回ご紹介するのもその1つ、日本料理の『橦木町 しみず』。オープンとともに話題をさらい、すでに予約は年内いっぱいという盛況ぶり。

静謐な空間や素材の味の魅力を引き出す力ももちろんだが、大将のキャリアが予約困難店となるのを必然的なものに。大阪の日本料理の重鎮「本湖月」で11年、同じく岐阜の「たか田八祥」で6年というキャリアを誇ります。正直、どの場所でやっても成功を約束されていたことでしょう。地元の岐阜の近くでというのが名古屋を選んだ理由だとか。その地元愛にも好感度が高まります。

修行先である本湖月にならって料理の撮影はNG。これだけSNS全盛にあって、信念を引き継ぐ意志も素晴らしい。料理は一人で担っているとは思えぬほど手がこんでおり、そこに妥協は一切ない。1つの食材を使い切る、そんなサステナブルな意志も見えて、それが自然と料理の一体感を高めているような印象。長い修行期間の賜物でしょうか、非常にセンスの良い料理を作り出しております。

名古屋の名店はいくつか去ったかも知れないが、こんな素晴らしいが名古屋に誕生しているのです。

料理のラインナップはこちら。

「先付」翡翠茄子を焼き茄子に。ソースとなるのがずんだ状になったブランド枝豆、月兎豆。そして、さらに重ねるのは長良川の天然鼈の煮凝りで、これがなかなか強い味わい。さらに、蓮の実と豆腐餻の発酵の香りが強いアクセントに。様々な味覚が展開されますが、よくバランスのとれた料理で始まります。

「御凌」鮎の飯蒸しは鮎一色。鮎出汁で炊いた米、鮎から作る塩辛であるうるか、鮎で作った鮎醤油、鮎ばかりで構成されるので、当然のように相性がいい。特にお米はお気に入り。蓼酢ではなく、刻んだ蓼の葉を用意するのもセンスがいい。

「御造」メイチダイと真つぶ

「御椀」お椀はずいぶんリッチな作り。胡麻豆腐の上にはたっぷりの赤雲丹、そしてベースとなる出汁も昆布がちで甘味が強い。少々引き算があってもいいが、わかりやすい味の構成で、美味いものは美味い。

「焼物」立派なサイズの和良鮎。頭と尾、それに中骨を取り除いた形で提供。しっかりと火入れされているが、しっとり感もある絶妙な焼き具合。今度はオーソドックスに蓼酢でいただきます。葛の葉の香りをうつしたアクセントも吉。続いて、切り落とした頭、尾、中骨は揚げた形で登場。これはサステナブルなアプローチはいいつまみだ。

「揚物」鮑の東寺揚げ、これは面白いアプローチ。餡に鮑と生姜、醤油は肝醤油。鮎の時と同じように、同食材のアプローチ違いで提供していく。一体感は申し分ない、肝醤油をつければ否応なく一体化するけどね。笑

「口直」クイーンルージュとシャインマスカットのおろし和え。下味しっかりのクラゲもいた。

「炊物」メインディッシュは鱧。最初は鱧出汁のスープの中で玉ねぎと一緒にシンプルにいただき、最後は残である出汁を使って卵を落としていただく。サステナブル万歳。

「食事」飛騨高山のお米。おかずには香の物と鼈の甘露煮。鼈も再登場。

「菓子」1つはパフェのようなルックスで登場。飛騨高山の牛乳と長野産の蟠桃を合わせて。岩塩を散らしているので、いい意味であまじょっぱい方向に向かう。もう1つはところてん、関東では酢醤油だが、関西では黒蜜を使う。大阪で修行したニュアンスがここにも。

橦木町 しみず
052-890-5515
愛知県名古屋市東区橦木町3-24 プランドール橦木 1F
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230104/23080047/

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