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2022.07.06 夜

これが日本料理の極みか。これぞ”寂び”の料理。@明寂

日本料理

六本木・麻布・広尾

30000円〜49999円

★★★★☆

ここまでコンセプトと料理が合致する店も珍しい。しかも新店で。

2022年4月、西麻布の路地裏の地下、旧田中田の場所にに新しい日本料理店が登場した。名前は『明寂(みょうじゃく)』、屋号にはどんな意味が込められているのだろう。”寂び”とは”然び”とも書き、内側から価値あるものが滲み出るという意味を持つ。日本人の精神性である侘び寂びの字でもあるが、”侘”の文字が”明”になることで、楽しく華やかな印象になっております。

料理の話の前に、同店の仕掛人と料理人についてご紹介を。茶禅華をミシュランの三つ星に導き、現在は一平飯店や桃仙閣を主宰する林氏がオーナー。新店でありながら、品の良さと静謐さを感じる設えや心地良い接客サービスを実現しており、彼の貢献度の高さもうかがえます。主役となる料理を担当するのは、名店「青柳」などで腕を磨き、赤坂の「花のれん花楽」で料理長を務めた中村英利氏。そして、彼こそが屋号にも込めたコンセプトである”寂び”な料理を実現しております。

全体の特徴は、内側から滲み出る素材の旨味を最大限に感じさせること。そして、1つの食材の魅力を様々な角度から提案していくこと。地産地消ならぬ、素材産素材消というか、1つの素材だけで料理を完成させていくのも面白い。さっそく1つ1つ紹介してまいりましょう。

「丸十」
水と塩だけで煮た丸十。まるで夜空に浮かぶ月のよう。シンプルさの中に華やかさがある、スターターにふさわしい一品。じっくりと素材の旨味が届く品の良い一皿。

「鮑」
鮑を煮たものと鮑のすり流しで構成。同素材でバリエーションを作っていくのも明寂の魅力の1つ。素材へのリスペクトを感じます。

「御造」
真子鰈、鰈の肝醤油と鰈で作った塩。

「御椀」
鮎魚女の潮仕立て。皮を剥いで伸したものを重ねる、これの滑らかな口当たりとコラーゲン質が美味。そして、面白いのがあくを取らないという発想。まさに内側から滲み出る価値をそのまま楽しませる。

「鰹」
縁起の良い菱紋に仕上げた鰹。なんて素敵な盛り付けでしょう。塩酢で整えた新玉を手前に。炭火でカリッと仕上げた鰹はもちろんだが、玉ねぎの甘さにも注目。

「鼈」
鼈のエンペラだけを使った茶碗蒸し。

「鮎」
普通の塩焼きと自身の脂で薫香をつけた2種の食べ比べ。

同じ素材だけなのに、、、本当に奥が深い。

「無花果」
青無花果の白和え

「鼈」
今度は丸揚げで。素材をトータルで楽しめるアプローチ違いは本当に面白い。

「蕎麦」
鯛と蕎麦の掛け算。醤油と鯛、鯛を出汁で煮詰めたもの、鯛のゼラチン質の脂、、、鯛の魅力を蕎麦と融合。例えとしてはあれだが、鯛の旨味でコーティングした油そばを食べているようなイメージ。美味しい、、、

「鮎」
今度の揚げた鮎は絹巻き寿司で。蓼をすし飯に混ぜ、揚げた蓼と生の蓼を組み合わせる。薄皮の玉子の風味も相性がいい。

「蓴菜」
新生姜の餡と。飲むガリといった感じで、口直しにぴったり。

「鱧」
鱧も2種類。まずは芋茎との組み合わせでシンプルなもの。

「鱧」
次は鱧と梅。この組み合わせは定番だが、梅は種の中心部だけを使う。これがほんのりの梅感と食感を生み、鱧自体の旨味の邪魔をしません。素晴らしい着想。

「食事」おかず達と一膳。

穴子玉子丼で一膳。

「甘夏の汁粉」

「奉書巻き」

明寂
050-3101-3945
東京都港区西麻布3-2-34 西麻布ヒルズ B1F
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130701/13270958/

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