都心からどんぶらこ、どんぶらこと電車に揺られてやってきました。
調布市国領、やってきたのは『ドンブラボー(Don Bravo)』。国内外で腕を磨いた平シェフが主催するイタリア料理店で、地元の人はもちろんのこと遠方からも食通が押し寄せる名店でございます。ちなみに、この場所はシェフの出身地で、郷土を大切にするスタンスは料理にも少なからず反映されている印象。
彼の料理はイタリアの郷土料理に軸を置いており、ここに日本の食材と上手に融合させております。食材だけの名前が羅列されたメニューからも、素材を大切にしていることが伝わってまいります。人々が大切にしてきた食文化へのリスペクトが根底にあり、そこにシェフならではの遊び心を加わる。そんなアプローチだからこそ、表層的なモダンさなどではなく、独創的ながら厚みのある料理を完成できているのでしょう。
さっそく料理をいただいてまいりましょう。
芯から出汁をとったそうで甘味が一段上の「とうもろこし」がスターター。
そして、シンプルな「牡蠣」さすがは海のミルク、ミルキーな味わいと塩気がガッチリ握手しております。
そして、この「蛸」のフリット。重ねるのは南イタリアの香辛料のンドゥイヤで、その刺激がフリットの油とのバランスをとるとともにアルコールへのニーズを高めます。
和を代表する「鮎」の登場。8時間もコンフィをしたそうで、頭から骨まで楽しめる。おかひじきやケールのパウダーなど、日本でいう蓼酢をイタリアンの解釈で作り上げます。これは素晴らしい。
そして、人気メニューの1つであるトリッパ。夏野菜やモッツァレラを伴って登場。いい意味で脂が落ちたトリッパはすっきりと体に吸収されていきます。
ここからパスタとメイン。パスタは「蛤」で、その塩気と旨味がたっぷりながら、主役はライムとハーブ。彼らの豊潤な香りでいただく華やかなパスタになっております。
メインは豚肉のロースを使った「サルティンボッカ」、口に跳びこむという意味を持つローマ料理でございます。クリーミーなソースで食べるクラシカルな料理は、イタリア出身でもないのに懐かしさを感じさせます。これは一生食べれそう、、、
ここで終わらないのがドンブラボー流。
締めはピッツァが務めます。立派なピッツァ窯を構えることができるのもローカルならではの演出の1つ。本来のナポリピッツァは塩をしっかりあてるものだが、敢えて塩味から遠ざける。挽きたての全粒粉で風味を上げて、玉葱水やホエーを使って旨味を引き上げております。
そんなピッツァをハーフ&ハーフで2種類、「しらす」と「熟成じゃがいも」をいただきます。しらすやボッタルガと合わせたピッツァは適度な塩気を楽しめ、熟成じゃがいもはまるでデザートのような甘味を楽しめます。
最後は白と黒のカカオのデザート。
黒はカカオは火をいれきらず、ざらっとした食感の先でカカオそのものの風味を楽しませます。
白はカカオパルプの部分をピュレ状にして酸味を楽しませる。食事の最後にふさわしい一品だ。いやぁ、素晴らしいコースでした!
—
ドンブラボー
042-482-7378
東京都調布市国領町3-6-43
https://tabelog.com/tokyo/A1326/A132601/13144681/