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2021.08.22  

薪焼きの第一人者、神戸から京都へ。@ザ サカイ

スペイン料理

京都市

10000円〜29999円

★★★★★

薪焼きの第一人者である坂井シェフが京都にて独立開業。

神戸にある名店「bb9」を全国区に押し上げたのは坂井シェフの”薪焼き”に他ならない。冷たいものという先入観を覆す、熾火で火入れしたキャビアなど大変驚いたもの。スペシャリテの1つとして食通を唸らせるも誰も真似しないのは、いかに難しいアプローチなのかの証明でもあります。京都に移転しても同メニューは健在です。

さて、先走ってしまったので、いったん話を戻しましょう。場所は鴨川沿いから一本入った立地で、奥様が営むバルの「enca」と併設する形になっております。シンプルすぎる看板だけが目印だが、よく見るとこれが和紙でできている。看板だけでなく、入り口から器まで和紙製で統一。スペイン料理の新店ながら、古都京都のイメージにぐっと近づく印象です。

料理に軸は基本は薪焼き。日本において、薪を駆使して食材の良さを最大限に引き出す手法は、シェフが牽引していると言っても言い過ぎではない。bb9当時はキッチンを見ることは叶わなかったが、オープンキッチンになったのでその工程を見られることが贅沢すぎます。それでは料理をご紹介してまいりましょう。

「薫製バターとペリゴールトリュフ」
Bb9時代からの定番料理の1つで、自家製ぱんの上にバターとトリュフを重ねます。この時期乳牛が子供を産んだばかりだそうで、バターの味が濃厚な印象。バターの薫香と塩気が抜群で、自然と体がシャンパンを欲してしまいます。恨めしや、緊急事態宣言。

「キャビア」
さっそく冒頭のキャビアが登場。もちろん直接の火入れでなく熾火までは理解していたが、さらにわかめを通して火入れをしているそう。これが繊細な火入れを実現していたのか。塩気は当時の方が強かった印象だが、今度はコクが増したような気がする。いずれにしても、驚きを隠せぬ料理であることは変わらない。

「ムール貝」
薪で調理した千両なすや赤ピーマンが参加。ムール貝の塩気やバジリコの香が主役かと思いきや、主役は圧倒的に野菜。これだけ野菜を美味しく食べさせるとは恐れ入ります。。。唐辛子の葉もいいアクセント。

「車海老」
明石の天然車海老。手でむしゃぶりつくようにいただきます。こんなにシンプルなのに、こんなに美味くていいんですか。薪料理のポテンシャルとシェフの技術をダイレクトに感じられる一皿。

「白烏賊と雲丹」
それぞれ小浜と天草より。細かく包丁を入れることで烏賊は甘さを増すんだとか。甘さを手に入れた白烏賊と雲丹の塩気ががっちり握手しております。

「焼き鮑と焼き茄子」

「鮎」
天竜川より。鮎自体の美味しさは疑いようがないが、お隣の付け合わせのレベルもすこぶる高い。すり下ろした胡瓜に茗荷やオクラ、さっぱりとしながら鮎へも援護射撃を。

「平目」
明石より。ソースはバスク地方の伝統料理であるピルピルソース。鯛の頭などを長時間オリーブオイルで熱を加えて乳化させたもの。まるで繊維に入り込んだように、ねっとりと平目をコーティングしております。火入れも抜群で、このマリアージュは感動もの。

「赤牛」
10時間も煮込んだという熊本産の赤牛。イタリアのお米に青森のとうもろこしを合わせます。香りは圧倒的にとうもろこしなのだが、口の中は肉の旨味の余韻でいっぱいになります。これも本当に美味い。

「ルーアン鴨」
シャラン鴨のルーツとされる純血100%の原種。脂の旨味が驚くほどたっぷりで、きっと薪がこれを最大限に引き出しているのでしょう。水分が残っているがゆえに、咀嚼するたびに旨味が飛び出てくるかのようです。ロメインレタスで彩りと味わいにコントラストを作るのもセンスが抜群です。

「フロマージュブラン」

「スモークのアイス」
薪の風味がいっぱいのアイスクリーム。これもまた定番料理の1つ。これにブランデーでも垂らしたら最高に美味いだろうに。

ザ サカイ
京都府京都市左京区大菊町546-1
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26034778/

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