2021.06.01 夜 お店の継承にもいろいろな形があって面白い。@海味 寿司 原宿・表参道・青山 10000円〜29999円 ★★★★☆ お店の継承にもいろいろな形があって面白い。親から子へ血を持って継承していく、師匠から弟子へ技術を持って継承していく、そしてオーナーのもとで暖簾を継続していくなどの場合がある。今回ご紹介する南青山の鮨店『海味』の辿る道も面白い。同店を有名せしめたのは鮨職人達の尊敬の一切に集めた2代目の長野氏。2015年、彼が惜しまれながらもこの世を去った後は弟子であった中村氏が跡を継ぐ。その中村氏が独立を果たした後は、和食店やホテルで修行を重ねたという平氏が暖簾だけを引き継いでおります。 人があれば店も変わる。弟子筋ではない大将なのだからその印象はきっと顕著なものでしょう。かつての王道の江戸前スタイルではなく、ユニークなアプローチが目立つよう。スターターでは雲丹の殻を器にして、蓴菜、オクラ、トマトのジュレなどを楽しませます。 さらには、キャビアを玄米と食べさせたり、 白海老をシャリに見立ててエルフランスの温泉卵と合わせてみたり。 雲丹1つとっても、下には唐津の赤雲丹、上には利尻の馬糞雲丹と重ねてみたり。これはお互いがソースのように相互に作用させてみたり。 また、旬ではない花山椒を冷凍させることで会うことのなかった鱧と花山椒が出会いを演出してみたり。 寿司については、シャリは大きめで柔らかめのタッチ。ネタも同様だが、共通して味わいの強さが目立ちます。きっとお酒との相性は間違いのないものでしょう。 いただいたラインナップはこちら。職人も変わり、味もアプローチも大きく変化。ただ1つ全く変わっていないものがあります。それは楽しさ、ホスピタリティーという言い方もできるもの。海味という名の個性はきっとこの”楽しさ”にあるのでしょう。ご馳走様でした! 「本アラ」石川県産 「トリガイ」七尾の漁港から。 「小肌」天草産 「スズキ」味がしっかり、酸味もしっかり。 「鯵」鹿児島県出水産 「蝦蛄と蛸」ダジャレな二つ。前者は石巻、後者は明石。 「真魚鰹」淡路島産 「アオリイカ」ちょっと塩辛い?胡麻の風味が最後の余韻を作ります。 「中トロ」和歌山県産を漬けで 「大トロ」沖縄県産を塩で 「赤貝」閖上産 「車海老」 「穴子」 「玉子」 「水菓子」べにほうしゅうと太陽のタマゴ — 海味03-3401-3368東京都港区南青山3-2-8 三南ビル 1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1306/A130603/13001179/