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2021.05.13 昼

福山のイメージが「おく村」になった日。@おく村

日本料理

福山市

10000円〜29999円

★★★★★

広島県の福山市、本日初上陸でございます。岡山県との県境にあり、新幹線の停車駅でもある広島県第二の都市。正直、福山ですぐにイメージできたのは世界に誇るデニムの産地ということくらい。だが、この日を境に「福山といえば?」の問いに対する回答が一変しました。今日から俺は、、、

福山=日本料理『おく村』

まずは、店を切り盛りする大将についてご紹介していきましょう。キャリアのスタートはお寿司屋さんから。その後、日本料理の重鎮、京味の西氏も輩出した京都の料亭「たん熊北店」のご出身。延べ10年にも及ぶ修行き期間を経て、27歳でここ福山で一国一城の主に。創業からは今年が20年目を数える老舗でございます。地元の人々にとっては晴れの日のレストランとして愛され、結納やお食い初めなどの大切なイベントを担っている重要なお店。いわゆる地元の名店でございます。福山とイコールで結ばれても言い過ぎではない、それがミシュランの星獲得という形でも証明されております。

さっそく料理のご紹介をしていきましょう。

節句にちなんでよもぎがあしらわれた一皿から。奥には広島県産の「蓴菜」に土佐酢のジュレ、ここに生姜の風味をアクセントとして加える。手前には琵琶湖の「若鮎」。出汁をくぐらせて少々ジャンクな味わいに仕上げますが、これが蓴菜達を主役に押し上げる。コントラストのあるスターター、バランスの良さに期待感が高まります。

続くのは広島県の世羅産の「アスパラガス」。太くて鮮度のいいものを選んでいるそうで、その結果か、とんでもない水分量を含んでおります。食感はしっかりしているのに旨味という名の水分が溢れでてきます。お皿を共にするのはばちこ。

お椀は「鱧と新蓮根」。まだまだ走りなので鱧の脂はそこまでではない。身の甘さがほんのり感じられる程度。これを補完するかのように出汁はしっかりめにひいているよう。素材への理解や応用力を感じた一品。

丹後の「トリガイ」。これが美味い、そして甘い。ほんのりと昆布の旨味を足しているような。。。とにかく美味い!

お造りは塩締めした「金目鯛」。皮めの炭焼きがアクセントになっております。注目してほしいのは、お隣に用意されたオリジナルの玉ねぎ醤油。非加熱で土佐醤油と合わせて寝かせたものなのだとか。とろみがあり、これだけで日本酒が飲めるほど完成度が高い。金目鯛の下には中国地方が誇る梶谷農園のハーブが敷かれております。岡山県よりの立地も取引に優位なのかも。

驚いたのは「牡丹海老」の握り。薄く塩締めしており、ねっとりとした口当たりからシンプルな旨味が感じ取れます。手前には海老のジュレの用意があり、全体として強い海老の印象と余韻を作りあげております。驚いたと紹介したのはアウトプットの話ではなく握りの工程。寿司職人でもあまり採用してない本手返しで握っていたのだ。やはりかっこいい。

続いて「太刀魚」の炭焼き。これは意外だが、千葉県産。脂の甘みがたっぷりで、とろけていくよう。いや、脂だけではなく身の口溶けもまた抜群です。素材が良ければ余計なことをしなくていいと語る大将からは、かえって自信が感じられます。

食事の前、最後を飾るのは「焼きすっぽん」の餡掛け。素焼きではなく柔らかくしてから焼いているの珍しい。新しい食感。

食事は広島の、福山の魅力が詰まったもの。米は福山産のにこまるという米。卵かけご飯を食べれば、卵は世羅産。

穴子と食べれば、広島名物穴子飯の出来上がり。

最後は抹茶と思いきや、これはデザート。食べるお抹茶が終了の合図でございます。

いかがだったでしょう?ミトミえもんの文才さえあれば、福山のイメージはもう「おく村」になったはず!?ご馳走様でした。

おく村
084-946-6866
広島県福山市春日町1-1-44
https://tabelog.com/hiroshima/A3403/A340305/34006494/

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