2021.05.08 夜 青草窠、ここは草木に囲まれし癒しの美食空間。@青草窠 日本料理 六本木・麻布・広尾 30000円〜49999円 ★★★★★ 2008年創業、天現寺にある日本料理店『青草窠』が今回の目的地。 カウンター越しに見える扁額の文字は、陶芸家として、美食家として有名なかの北大路魯山人のもの。読み方は”せいそうか”、「青い草木に囲まれた癒しの空間」くらいの意味なのでしょう。たしかに都心のど真ん中にあって、自然を強く感じられる空間と設えになっております。 言わずと知れた日本料理店「松川」のご主人も働いた店で、彼と同様に滋賀県の招福楼出身のメンバーが店を支えております。料亭出身の名残なのでしょうか、一定の距離感を保っているのが印象的。最近のレストランは会話も商品の1つといった感じだが、料理と空間だけで勝負が堂々と勝負しているような印象です。それを感じるだけのものが、きっちりと用意されております。一皿ずつ順を追って説明していきましょう。 「宮崎産のキャビアとフルーツトマト」「淡路島産の蒸し鮑」トマトは甘さと食感が同期しており、キャビアの塩味がさらにこれを引き出しております。鮑はずいぶんと大きなカットで満足感高。肝の味わいもお酒との相性が絶対的なもの。緊急事態宣言で飲めないけど。 「毛蟹」黄身酢と和えた一品だが、さっぱりした印象も。爽やかなTKGといったイメージ。 「ぐじと賀茂茄子のお椀」出汁のクオリティー!前者は脂の具合が絶妙で、その出汁にさらに好影響を与える。梅とも相性良し。サイズ感のある賀茂茄子だったが、柔らかな食感であっという間に完食。何よりも美味い。 「お造り(伊勢海老の雲丹乗せ、トリガイ)」唯一の派手なシルエット。肝いりのトリガイはプリプリで凄まじく美味。ただ、個人的には高級食材を重ねた伊勢海老は少々苦手。個体ではレアな火入れにプリッとした食感がきっちりキープされておりました。全体のレベルが高いだけの無いものねだりです。ごめんなさい。 「鯵の粽寿司と鰻の大和煮」ただでさえ旨味の強い鰻、さらに甘い味付けで鬼に金棒状態です。 「八寸」鯛白子、ミルガイのおろしがけ、タラの芽の天ぷら、目光の塩焼き、唐墨、空豆、熟成薩摩芋 「赤牛のヒレ肉」揚げ油が軽やかというより、もはや調味料としてポジティブに機能しています。名残の花山椒をたっぷりと。 「厚揚げ」白子筍と蕗とともに。厚揚げの柔らかい豆腐感は最高レベル。 「食事」締めは広島県の銘柄牛である比婆牛のしぐれ煮。主役はもちろんのこと、漬物や赤出汁のレベルも高い。神は細部に宿る。 「水菓子」とろっととろける水羊羹。自家製です。 — 青草窠03-3473-3103東京都港区南麻布4-2-34 天現寺スクエア1Fhttps://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13090635/