2020.07.08 夜 北海道の恵みと江戸前の邂逅@天ぷらあら木 天ぷら 札幌市 10000円〜29999円 ★★★★★ 江戸の三味と称される天婦羅、東京に店が集中しているのは自然のこと。その東京の名店に師事し、北海道に技術を持ち帰った荒木氏の店『天ぷらあら木』をご紹介。北海道の恵みと東京で培った技術の邂逅、想像するだけでワクワクしますよね。ミシュランの獲得、ゴエミヨの受賞など、期待感が間違いないことの証明の1つになっております。 あら木の天婦羅の特徴は、軽やかな揚げあがり。衣の存在感がいい意味でないのだが、油を使い分けることで風味づけに成功しております。前半は、独特の香りと色のある太香胡麻油の出番。海老、烏賊、鱚など一見淡白さもあるネタが、軽やかなながら油の味わい深さを手に入れております。後半戦は太白ごま油を駆使し、今度はネタの風味を全面に押し出しております。 こういう食べ比べのようなアプローチは随所に見られ、海老をレアとしっかり、 アスパラは先と根元、 空豆の生と天婦羅などと楽しませてくれました。生空豆の甘さとシャキシャキした食感にも驚きました。 印象的だったのは雲丹。雲丹の天ぷらはもはや珍しいものではなくなりましたが、大葉や海苔などに巻かずに単体で揚げたのは初体験。 4日ほど塩で熟成をかけたそうで、これにより水分が減ったがゆえに実現できるのでしょうかね。雲丹単体がゆえに、ダイレクトにその旨味を堪能することができます。ちなみに、雲丹は餅米と合わせる形で生でも堪能。積丹半島で取れるこの時期限定の恵みは北海道ならではと言っていいでしょう。 レアな揚げ上がりを得意とするのは北寄貝のアウトプットからも伝わります。 薩摩芋は外はカリッと中はジューシーな仕上がり。もちろん技術もあるのだろうが、冷涼な気候で育った薩摩芋だからこそ実現できるのだとか。 食事は天茶、天丼、天むすから選択できる。天むすはユニークなアウトプットで、海苔とご飯の上に天種を重ねております。天丼の海苔巻きバージョンといったイメージ。海苔の風味が味わいに豊かさを持たせてくれます。ちなみに、味付けは天タレ山椒と胡麻塩の二種がいただけます。 天婦羅前。「きんきのしゃぶしゃぶ」余市産の空豆と柑橘風味のジュレとともに 「とこぶし」 「河豚のスープ」苫小牧の木の芽を味変に。新鮮だからなのか、風味が強い。 「銀杏」 天婦羅後。「烏賊」 「鱚」 「トマト」口直し 「鰻」 「マンゴー」 — 天ぷらあら木011-552-5550北海道札幌市中央区南7条西4 延寿堂 1Fhttps://tabelog.com/hokkaido/A0101/A010103/1048079/