
関東風?関西風?いや、これは時任風だ!鰻について議論する際に、議題は大きく2つ。関東風か関西風か、養殖か天然か、大体この2つで激論が交わされるものです。その前者のディスカッションついて、斜め上のポジションを築いたのが麻布十番の人気鰻店『うなぎ時任』である。鰻の基本は「白焼き」や「お重」、料理となれば「う巻き」や「うざく」までがやっと。ところが、時任の鰻はまるでフレンチのように、まるで日本料理のように、創造性豊かな鰻料理を作り上げております。大将は、老舗の野田岩で腕を磨き、フランスでのレストラン経験もあるそう。そういったキャリアが料理に反映されているのでしょう。
名刺代わりの一品がこれを象徴しております。文字通り鰻をパテの代わりにした「鰻ハンバーガー」からスタート。バターやトマトとの相性の良さに驚きます。ソースというかアクセントの役割を担うのが山椒というのがいいですね。創作に走ると本質が置いていかれることが多いが、そうではないと感じさせるスターターでございます。

白焼きでは山葵や塩が一般的ですが、それに加えて柚子胡椒、唐墨、梅肉、さらにはキャビアやプロシュートまで。よく梅と鰻は相性が悪いと言われますが、常識をあっさり破る潔さ。確かに脂の強い鰻にさっぱりとした酸味の相性は悪くない。どれか1つだったらやりすぎな印象もありますが、一切れ一切れバリエーションを楽しめるという意味ではとても面白いアプローチと言っていいでしょう。

フレンチにとどまらず日本料理のように鰻料理の盛り合わせ、いわゆる八寸も登場。う巻き、煮凝り、西京焼き、鰻レバーのパテなど。

ついでに蟹と雲丹いくらの贅沢セットも脇を固めます。白焼きの時と同様に、少量多品種で楽しめる設計なのはいいですね。

フレンチの印象を決定的にしたのは「鰻のパイ包み」。まさか鰻料理店でフォークとナイフが登場するとは!フォアグラも一緒に包むことでとんでもないパンチ力を得ております。

いわゆる食事にあたるのはもちろんうな重。いわゆる関東風のアプローチで蒸したもの。その結果余計な脂が落ちて鰻本来の風味を優先した味わい。こだわりの素材を持っているという自信のあわられでもあるのでしょう。品が良すぎるという人向けには、タレや山椒の用意もございます。こだわりといえばうな重の提供方法。蓋をしたまま砂時計との睨めっこを強要されます。笑

余熱で蒸らしているのでしょうか、大将も理想とする状態にピントを合わせてくれるのです。関東風か、関西風かではなく、フレンチ風の、いや時任風の鰻をお楽しみください。

その他の料理ラインナップ。
「蛍烏賊のしゃぶしゃぶ」はまぐり出汁へダイブ!ポン酢と酢味噌で。

残ったスープはそうめんに!

「鰻の牛肉巻き」鰻と雲丹と牛肉。その全て主役でありソースである。そんな一品。

「デザート」黒胡麻のジェラートとあまおう

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うなぎ時任
050-5596-0456
東京都港区麻布十番2-5-11 AZABUMAISON201
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130702/13224663/