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2019.03.16 夜

「瞬」で過ぎていく幸福な時間@瞬

静岡市(静岡・清水)

10000円〜29999円

★★★★★

静岡県にある炭焼き鰻の『瞬』への初訪問。駅から20分ほどの道を車で走った閑静な住宅、日本家屋を改装したという古民家風の風情のある建屋で我々を迎えてくれます。大きな窓からは立派な日本庭園が季節を感じさせ、ゆったりした店内には居心地のいい空気感が流れております。

夜はコースのみの提供。鰻屋のコースと聞けば様々な部位を使ったものを想像しますが、瞬のそれは全く違うもの。日本料理店と同様、いや日本料理店以上のものがコースを構成しております。まずは静岡の食材達が季節を切り取る。わらびの山菜に海老を合わせた突き出し。さっそく胡麻油などを巧みに使って風味をつけた海老の味付けに驚きます。つくしの頭の部分はいいアクセントに。一方で静岡産の筍はシンプルに塩を当てただけ。素材の力だけで十分に戦える一品です。

素材の力は仕入れの力、仕入れの力は料理人の力。これを印象付けたのは鮪とお肉。鰻屋なのに最高の鮪を使い、鰻屋なのに最高の肉を使う。最高の卸の呼び声が高い「やま幸」の鮪に、肉の達人と称される「サカエヤ」の肉が使われるのだ。

主役となる鰻ならともかく、その全てで本物が使われていることにただただ驚きます。静岡の島田産の鮪の脂は上質で、燻製香のする熟成肉の旨味は極上です。

鰻においても引き出しが多い。シンプルにえり焼きをタレで食べさせたかと思えば、頭の部分は大根に巻いて食べさせる。

肝はすっきりした蕗を添えているが、この蕗の間にはばちこを忍ばせる。

さらには、サラダにもひれ焼きを乗せるなどバリエーションを楽しませてくれました。

鰻は関東風の背開き、関西風の地焼を採用。弾力のある歯ごたえに天然を確信したが、これが養殖というのだから驚く。ぷりっとした食感の身は十分な脂を備え、炭火の香ばしさがこれと完璧に握手しております。

何よりキレがあるタレが絶品で、これだけもお金がとれるもの。本物志向の大将が作り出すタレですからね、本当に素晴らしい。美味しいものを食べる時間は短い。一瞬で過ぎていく幸福な時間でした。必ずまた来ます。


054-294-7178
静岡県静岡市葵区有永町260-1
https://tabelog.com/shizuoka/A2201/A220101/22019273/

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