神楽坂にあるイノベーティブなレストラン『SECRETO』。”秘密”という言葉を持つレストランは、店名の時点でワクワク感を掻き立てる。予約はすで年単位で満席状態で、その秘密を暴くのは簡単ではない。常連の友人のお誘いにて、秘密のレストランで夜な夜な繰り広げられるパーティーに初潜入です。
レストランは黒を基調とした秘密の名にふさわしい空間。店内を流れる大音量のミュージックも人の声を遮断し、秘密の空間作りを手伝っているよう。さらに、店の照明も抑えるなど、かえって五感を研ぎ澄まされていく印象です。この劇場型のレストランの主役を担うのは藪中章禎シェフ。料理を科学的なアプローチでアウトプットしたパイオニア「エル・ブジ」でキャリアを積んだ経験も。そういえば、店名の”SECRETO”がスペイン語であることもその延長なのかも。シェフの性格もまたラテンの影響があるのか、プラスのオーラに包まれたプレゼンテーションを展開していきます。笑
プレゼンの最初を飾るのは「黒真珠」。黒光りする球体は秘密のレストランのスターターにふさわしい。ぜひこの味はご自分で確認してみてほしい。弾ける食感の中身からは芳しいフルーツの風味、これを包む皮はカカオバターで作られます。
お次はナツメヤシをパンチェッタで巻いたもの。これに牡蠣のピューレを乾燥させたチップスを重ねます。コク、甘味、塩気など、様々な味覚でお酒の欲求を喚起させます。
前述した科学的なアプローチがメインだが、温故知新、古いものも大切にしている。シェフの実家は洋食屋を営んでいたそうで、その延長で海老フライをオマージュした料理を提供しています。もちろんただの海老フライではなく、衣をカダイフで代用し、タルタルソースの代わりにオレンジソースを用意する。アールグレイの風味をつけることで、品の良さが残る不思議な味わいに仕上げております。
出身の北陸を詰め込んだような、鰤やホタルイカの料理も存在感を示しております。
最もカウンターを盛り上げたのはこのフレンチトースト。上からかけるのはチーズでもなくトリュフでもなく何とフォアグラ。柔らかいはずのフォアグラをどうやって！？優しい火入れでねっとりと溶かし、それを冷やし固めているそうだ。雪のような食感でフォアグラを食べたのは初体験。それでもやはりフォアグラらしい強さを感じるので、フォアグラという素材の強さを再確認したような気がします。
締め的な位置づけにはリゾットが登場。リゾットというよりも雑炊といったほうがイメージが近いかも。粒の大きなイタリア米を使用しておりますが、出汁はすっぽんでとっております。ここに効かせた生姜と醤油の風味が嬉しい。科学的なアプローチだけでなく、随所に見せる味つけほっとします。笑
最後の最後までエンターテインメントを緩めない。最後は「吐息」な名付けられた参加型のデザートでしめます。これについては、このお店の紹介らしく秘密にさせていただきます。ぜひご自分の目で、耳で、舌で感じてみてください！
その他の料理メモ。
「牡蠣・蟹・ポワロー・椎茸」牡蠣、昆布、椎茸など旨味成分の集合体。
「牛蒡・カプチーノ」牛蒡の旨味を凝縮したカプチーノ仕立て
「鰆・帆立貝・下仁田葱」バジルの風味がいいアクセント
「エルダーフラワー」エルダーフラワーのジュースを閉じ込めたもの
「和牛・インカの目覚め・オニオンヌーヴォー」塩麹でマリネしたサーロイン
「オリーブオイル・ハニーミルク」
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SECRETO
050-5594-5239
東京都新宿区二十騎町2-23 ランピオンイゴー 1F 102
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13213559/