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2018.05.13 昼

次世代の日本料理を北九州で作る!!@日本料理 TOBIUME

日本料理

北九州市

10000円〜29999円

★★★★★

北九州の話題のレストラン『日本料理TOBIUME』へ。博多からも、小倉からも距離がある本城という駅が最寄り駅。まだ若いご主人の料理からは、イノベーティンブな料理を提供しつつも、日本料理という枠で勝負するという意思を感じます。もしかしたら、屋号の枕詞にあえて「日本料理」という冠をつけていることも同じ理由かもしれません。

さっそく料理についてご紹介していきましょう。最初は野菜などで作ったスープから。この日に使った食材の切れ端等で作ったのだとか。「もったいない」精神の日本らしいアプローチですね。春の野菜が多いからか、少し苦味が目立ちます。季節ごとに、いや毎日違う味のスープができるのでしょう。

コースを通して地元の食材が中心だが、最初の「稚鮎」の料理は例外。天竜川産の稚鮎を生きたままあげたそうで、まるで泳いでいるようなシルエットに仕上がります。素材がもつ鮎らしい苦味やしっとりした食感を実現できているのも、この料理法のおかげでしょう。また、横に添えられたネギもユニークで、根の部分だけ揚げております。これが生ゆえの甘さと香ばしさを同居させることにつながっております。茴香が酸味のアクセントを作るなど、一皿で表現している内容が多様で本当に面白い。

地元の柏原漁港から仕入れた「穴子」、その下には有明産の「海苔」という地の食材で構成されます。海苔の部分に強い食感を感じますが、これは海苔を重ねて揚げているのだそう。のり(海苔)の、のり(糊)はお粥が務めているそうです。穴子の柔らかさと海苔の食感のコントラストがユニークですね。

続く鮑は6時間も煮込んだそうで、かなりの厚みと反比例するかのような柔らかさです。肝と米を合わせたリゾットは既視感が強いが、ここにチーズを入れているのが独創的でこれが味を引っ張っております。国産のチーズってのがポイントですね。

サラダにもユニークな一面が。様々な野菜を様々な調理法で提供してくれます。アスパラガスから感じるバターの風味など単体でも勝負できるほどです。面白いのは土に見立てたふりかけ状の部分。これが鰹節なんです!ちゃんと和の風味を残しています。願わくばもう少し鰹節の風味が残ればなお好みでしたが。

北九州の芦屋町のおこぜの丸仕立てのお椀。アラと水と昆布のみでとった出汁で、昆布の風味が目立ちます。寄せ卵には皮の部分を使うなど、相変わらず素材を隙間なく使っております。そんな北九州の海を感じさせるのはお刺身でも同様。アコウダイ、カレイ、ヒラメ、ガンゾウヒラメ、石鯛、ミズイカなど。お皿も含めて清涼感のある盛り付けです。

「船上から始まる物語」と名付けたのはアマダイの松笠焼き。船の上で神経締めしたのものだそうで、確かに調理が船の上から始まっているということだ。漁師さんへのリスペクトを感じますね。濃縮トマトにトマトのチップスなど、見た目にも味にも華やかな印象が作っれます。マイクロセロリのアクセントもいいですね。

続くのは「シーズンラスト」というメニュー。この時期は、蛍烏賊でしょうか、花山椒でしょうか。やってきたのは、「筍」だぁ!!かぐや姫ばりに筍に大事そうに囲まれてやってきたのは筍饅頭。九州の銘柄鶏の華味鶏のそぼろを使用。こちらもまたシーズン最後の木の芽がアクセントとして働きます。葛の出汁もとても美味。

メインを預かるのは福岡最古の和牛と呼ばれる筑穂牛のイチボ。熟成し、炭火で香りをつけたもの。だが、メニューに目を移すと主役はこれではない。普段は脇役をつとめる玉葱です。「新玉葱の四重奏」と銘打った料理は、文字通りに蒸し焼き、スライス、素揚げ、粉末状のものと姿を変える。ソースには醤油バルサミコ酢が使われ、この酸味と玉葱の甘みが共演しております。

食事にいただいたのは雲丹の炊き込みご飯。メニューの名前「弘子の紫」というが、これは海女さんのお名前なのだそうだ。改めて地元の生産者さんへのリスペクトの強さを感じます。ワタリガニの甲羅の出汁を使っているのそうですが、これがびっくりするほど相性がいい。

甘味でいただいたのも地元のイチゴを使ったミルフィーユ仕立てのもの。ここにも生姜を練り込むなど「和」へのブリッジの意識を感じますね。

そして、もう一つの甘味からはホスピタリティーを全開に感じます。だって、ミトミえもんが登場するんですもん!笑

そういえば、「TOBIUME」の由来について聞き忘れました。おそらく福岡県の太宰府天満宮の飛梅の伝説が由来なのでしょう。梅の木が飛来して、その場所に根づいたという伝説です。きっとこれから全国からお客さんが飛来し、リピーターとして根付いていくのでしょう。ちなみに、ご主人は東筑高校という進学高の出身らしいです。このネーミングのセンス、確かにそんな感じがしますね。笑

日本料理 TOBIUME
080-4696-1369
福岡県北九州市八幡西区千代ヶ崎3-14-11
https://tabelog.com/fukuoka/A4004/A400404/40019957/

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