2017.11.11 昼 至極の蕎麦懐石がここに。@土家 そば 西東京市周辺 5000円〜9999円 ★★★★★ 東村山にある蕎麦屋の『土家』へ。まるで山奥の蕎麦屋にきたような錯覚にとらわれます。実は東村山の駅前なのだけど、、、笑 実はこの古民家は築100年近くの代物で、何年も放置されていたものだそう。いまなお続くご主人のメンテナンスで命が吹き込まれております。少し寂れた感じが、かえって風情を作り出します。これは有名な建築家でも作ることのできない風情といっていいでしょう。 ご主人の土屋さんは蕎麦屋に学び、日本料理店に学び、そして、陶器作りに農業まで経験しているそうだ。その経験は、自ら店を改装してしまうだけでなく、完成度の高い蕎麦懐石に詰め込まれております。1つ1つの料理を見てみましょう。 最初にでてきたのは「蕎麦豆腐」。蕎麦を使った豆腐だが、もはや蕎麦屋の域を完全に超えてきます。丁寧にとられた出汁が胃に染み入ります。それに、リンゴや春菊などを合わせているのがユニーク。それらを山葵がきっちりと横断してくれます。これこそご主人の経歴を表現したような一品ですね。 ご主人のセンスの良さは「季節の盛り合わせ」でも。冬の食材で作る彩りには驚かされます。クルミの柿の白和え、鱈の子ゼリー、鰊、牡蠣の唐揚げ、芋茎、銀杏、栗などが盛り合わせられます。もはや日本料理の八寸といっていいでしょう。 農業に従事してた影響もあるのか、野菜の存在が目立ちます。「椀」では、蕪、甘鯛、松茸の吸い物をいただきます。少しだけ塩気は強めだが、いっさいのストレスがない。むしろこの日の二日酔いの胃にありがたい。 「煮物」は、舞茸、里芋、人参の葉っぱの野菜がふんだんに使われる。主役は鰆か野菜かわからなくなります。まさか大根おろしだけのおかげというわけではないだろうが、濃厚なのにさっぱりという矛盾する素晴らしい出汁を完成させています。 肝心の蕎麦は9割の挽きぐるみ。おかげでぶつぶつ切れやすいが、そのぶん蕎麦の風味は抜群です。しかも、この器はご主人の手作りなんですって!繰り返しになるが、蕎麦屋に学び、日本料理店に学び、そして、陶器作りに農業まで従事したご主人のすべてを味わうことができました。 — 土家042-392-9457東京都東村山市野口町4-18-1https://tabelog.com/tokyo/A1328/A132806/13061606/