2017.03.26 夜 二条城の近くで「始まり」を迎えた店@二条城ふる田 日本料理 京都市 10000円〜29999円 ★★★★☆ 京都二条城は江戸幕府の始まりと終わりの場所なんですって。初代徳川家康によって創建され、15代将軍徳川慶喜が大政奉還を発表した場所。そんな二条城の近くで「始まり」を迎えた店があります。2016年4月に創業した歴史的な建造物の名前を冠とした『二条城ふる田』だ。 ご師匠は東京の「幸村」。まさか京都で幸村ご出身の料理人に出会うとは思わなんだ。いや、幸村さんも京都「和久傳」の料理長だったのだから特に違和感はないか。しかも、古田さんもその「和久傳」でキャリアをスタートしたというのだから、遺伝子的にはかなり幸村の血が濃そうだ。幸村というと花山椒鍋やカラスミ蕎麦などのイメージが強いが、個人的には出汁の取り方が好みである。二条城ふる田でも出汁を楽しませてもらいました。例えば、「椀物」。潮仕立の椀。魚介はアブラメからとった出汁で、昆布がほんのりと香る。アブラメの持ち味が際立つ品のいい椀だ。アブラメ自体にも葛粉をまとわせる事で、なめらかな食感を持たせ食材の旨味をきっちり閉じ込めます。脇をかためるよもぎ豆腐や木の芽のアクセントも好感度が高い。 例えば、「強肴」。脂ののった対馬産ののどぐろ。ここに合わせるのは花山葵や大根おろしに柑橘酢の効いたお出汁。のどぐろの脂、柑橘酢の酸味、花山葵の辛味が三位一体になって口の中で調理されていきます。 例えば、「小鍋」。蛤の出汁だけで作られた鍋。京都らしい食材の持ち味だけで勝負する一品。京料理は一見薄味の印象を持ちがちだが、葛でとろみをつくることで舌の滞在時間をつくる。そうして旨味がゆっくりと伝わってきます。癖のあるセリや刺激のある柚子胡椒を添えていることも憎い演出だ。 季節を彩る食事で終了。「飯蛸と蛍烏賊 蕗と切り干し大根の御飯」と「鯛と桜海老 うすい豆の御飯」。花山椒鍋ではないが、こちらも緑をうまく活用した彩りも素敵な食事に仕上がっております。 二条城の近くで始まりを迎えた「二条城ふる田」。江戸幕府のように長く続いていくことが確信できる店でした。 その他、二条城ふる田の料理達。 「毛蟹 車海老 牛蒡 浜防風 うるい 蕗の薹の花びら 加減酢ジュレ」 「白魚とタラの芽の天ぷら カラスミ」 「向付 鯛(和歌山加太) 雲丹(歯舞) さより(和歌山)赤貝」 「穴子(淡路)の蒸し寿司」 「粟の生麩フライ 蕗味噌 そら豆」 「京都牛ラムシン 長岡京の筍 長芋 蕨」 「揚げと葱の味噌汁」 「ゆうべに苺と苺アイス」 — 二条城ふる田075-254-8377京都府京都市中京区押小路通小川西入ル古城町371https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260203/26027316/