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2017.03.16 夜

山下シェフが作る孤高の中華料理。@わさ

中華料理

東急沿線

10000円〜29999円

★★★★★

この店には「孤高」という言葉がよく似合う。都立大学の駅から十数分と駅から離れた立地。孤高たる所以は、もちろん場所の話ではない。孤高とは、信念や美学に基づいて必要以上の苦労を重ねて道を探っていくという意味。言い換えれば「求道者」といったところだが、中華料理店『わさ』の山下シェフの哲学がそれを感じさせる。

かといって、彼が弁舌に語るわけでない。経歴と料理からそれを感じさせるのだ。
彼が最後に修行したのは岐阜にある中華料理店「開花亭」。各地方から食通がこぞって通う伝説の店だ。5年越しの思いを遂げて修行させてもらったのだそうだ。料理に対する一途な想いが伝わってきますね。料理からもその尊敬が感じられます。

それはカラスミを使った「ビーフン」だ。
開花亭のスペシャリテは太白胡麻油にあえたビーフンに最高級のベルーガキャビアを合わせます。わさではこれをカラスミに変えている。

生カラスミのしっとりとした食感とビーフンの歯ごたえのある食感。このコントラストこそがビーフンである意味といっていいだろう。ビーフンの下には焼きカラスミが敷かれており、味の変化も楽しむことができる。

だが、彼のスペシャリテはビーフンではない。人々を魅了し続けるのは「葱炒飯」だ。

全身を使って鍋をふるう姿がただ格好いい。具材はザーサイと卵とシンプルなのにもかかわらず、仕上がりは他の追随を許さない。しっとりしつつ軽さもあるという共存不可能な要素を併せ持つのだ。食材へのこだわりと鍛錬してきた技術がなす技なのでしょう。後半これをカニ炒飯にして食べさせてくれるのだが、こちらに説明は必要がないでしょう。

炒飯のようなよく知っている料理が、知らないレベルに引き上げられる。これが山下シェフのすごみだろう。

例えば、「餃子」。帆立や雲丹が餡として使用され、熱による劣化を一切受けさせない。3種の豚の餃子も絶品。

例えば、「春巻き」。筍やそら豆などの旬な野菜が閉じ込めれ、春の香りを漂わせる。

例えば、「肉まん」。肉は近江牛の三角バラ。紹興酒で3時間も蒸したのだそうだ。

初めての体験もさせてもらいました。ホシエイのパイタン煮込みがお気に入り。ゼラチン質が口の中で溶けて、まるで舌の中に浸透していきます。目が醒めるような旨味だ。

全ての料理に手間を惜しまない。これが「わさ」が孤高である所以だ。

その他、手間暇かけた料理達。

「アオリイカとXO醤」
「金目鯛とザーサイ」
「海老出汁のリゾット」
「蛍烏賊の山椒風味」

「鮑とインゲン」かりふわな仕上げ。絶品。
「ピータン豆腐」豆腐ももちろんだが、ネギが最高にうまい。
「レタスとレバー」
「苺の杏仁豆腐」

わさ
東京都目黒区八雲3-6-22
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131702/13091042/

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