2017.03.04 夜 京懐石の一歩先へ!!@緒方 日本料理 京都市 10000円〜29999円 ★★★★★ 「懐石料理」ってよく聞くと思うけど、定義をご存知ですか?茶事を目的とするおもてなし料理のことを懐石料理といいますね。同じ読みの「会席料理」はあくまでコース形式の食事を指すので、わりと似通ってきてしまってますね。最大の違いは、食事の順番。懐石料理では飯と汁は最初に提供されるが、会席料理は先付けから始まります。 さて、やってきたのは京都の『緒方』。「室町和久傳」出身の緒方さんが2008年にオープンした超予約困難店の1つ。星の数ほどあろうかという京都の和食の中で圧倒的な存在感を誇る理由は何なのでしょう。呉服屋だった建物を改装したという素敵な和の世界でその理由に迫ってみたいと思います! 最初に登場したのはご飯。おぉ、これはまさに茶懐石の文化そのものではありませんか。でも、あくまで儀式的なことが多く、ご飯自体に工夫を凝らすという店はさほど多くない。と思う。緒方ではいきなり度肝抜かれます。「木の芽のお寿司」として登場し、柔らかく炊かれたご飯に酢飯を合わせる。そこにアクセントというにはもったいないほど芳醇な木の芽の香りと味を広げるのです。この瞬間に心は鷲掴みです。 続くお椀には「丸大根と蕪の餡の椀」。全体的に野菜の旨味が際立つんですよね。これほど美味い大根など食べた記憶がありあません。味をひいていくことで、味が際立つ。日本人の作った和食は本当に素晴らしいですね。 緒方の魅力はもちろん日本料理における確かな技術なのだが、ここにエンターテインメントというか創作性も加わります。冒頭の木の芽寿司もいい例ですが、法螺貝の中に並べられたタイラギ貝、鮑、赤貝などは、そのビジュアルに歓声があがります。貝in貝ですよ。これ以上ない引きこもりスポットになりそうです。 笹の香りを仕上げた「ぐじの笹焼き」では、「囁き」とかけた女将さんのギャグも炸裂します。ついつい爆笑してしまいました。素敵なのは料理だけではないようです。 冬の花である椿に見立てた「サヨリのお造り」、驚くほど脂ののってる「シビマグロ」など、演出も味もそうほう抜かりない。シビマグロにおいては焼き加減も抜群で、玉ねぎが必須なほどに全身から旨味を放出してます。 「イサザの玉子とじ」「猪のみそ焼き」「蕎麦」などの食事も瞬殺。食事を通して、全てに満足感を得たのは久しぶりだ。京都における懐石料理の伝統を守りながら、付加された創作性に一発回答で大ファンになりました。季節を変えて通いたい名店です! — 緒方075-344-8000京都府京都市下京区綾小路西洞院東入新釜座町726番地https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260201/26012136/