銀座『しのはら』。滋賀からの移転以来瞬く間に人気店へと名乗りを挙げ、もはや予約困難店の仲間入り。ようやく2回目(銀座)の訪問です。楽しみだー!

二月には稲荷大社でお祈りする初午の行事があるそうだ。絵馬に願い事をかいて奉納することにちなんで絵馬の上で先付が提供される。鮑、雲丹に白魚と独活の酒煮。行事にふさわしい華やかさですね。花に型どった人参や長芋からは丁寧な仕事ぶりが伝わってきます。きっと絵馬に書くのは、もっといっぱい「しのはら」に来れますようにだろう。

続いてお椀。蕪のみぞれ仕立てに車海老の真丈を合わせる。蕪に負けないようにものすごい濃い出汁を使うそうだが、かえって蕪の良さが強調される。対になる味を濃くしてもう一方を目立たせるなんてすごい芸当だ。まだ若いしのはらさん、攻めの姿勢を崩しません。添えられたばちこは日本酒への合図ですかね。

攻めの姿勢は続く。淡路の鯛にはキャビアを包んで塩気とコクを足したと思えば、生のこのこでさらに塩気とコクを追加する。塩気と塩気をぶつけてるのに辛くならないのが不思議でしょうがない。掛け算ではなく相殺しあうのだ。この人、絶対天才です。

向付には能登の寒ブリ、竜飛岬の鮪、ハリイカの3種。昆布の出汁をあわせた醤油も面白ければ、器にバカラを使うのも面白い。紅白のお刺身が透明な器の上で本当に映えますね。器といえば次の料理も面白い。柚子を器に中には甘い酢飯と羅臼の雲子がたっぷり。柚子の中でつくる蒸し寿司というやつですね。


そして、大人のシルバニアファミリーの「八寸」が登場!

これは滋賀の風景。滋賀の食材達がしのはらに集まってきてます。琵琶湖でとれたてのモロコや畔でとれた鴨の蒸し揚げなど。名物の鮒寿司もいますよ。滋賀の風景が眼前に広がってるようですね。
一つめのクライマックスはやっぱり三雲の猪です。しのはらの猪は豚と一切交配していない純血中の純血。素材としては使いやすいものではなく、逆に言えばしのはらでしか食べられないスペシャリテに仕上がっている。猪の生まれた場所のような山奥を連想させますね。この脂が本当に美味しい。ここに黒トリュフを合わせるなんてほんとにもうっ!

そして、最大のクライマックスはツキノワグマとすっぽん。並び立ちましたね、月とすっぽん。主役級の両社ではあるが、主役は熊ではなくすっぽん。熊の旨味を溶かし込んだすっぽんのスープが絶品なんです。これだけ日本酒が飲めます。中に入った餅がスープの恩恵を100%享受します。これで雑炊を作るのだから、言葉が繋ぐことができません!


ご飯ものも続きます。「壬生菜と鯛のまぜご飯」とレベルの違う「牛丼」。甘さの加減なんかは吉野家インスパイアなんて言ってますが、味のレベルが違います。笑


いやぁ、今日のしのはらも最高でした。そして、改めて願う。もっといっぱい「しのはら」に来れますように!
その他、料理はこちら。
「とらふぐ」

「野菜の炊き合わせ」ふきのとう、聖護院蕪、海老芋

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1回目の訪問
「銀座でみる滋賀の風景。あの「しのはら」が東京にやってきた!@銀座しのはら」
https://blog.33inc.jp/2016/10/30/27647/
銀座 しのはら
03-6263-0345
東京都中央区銀座2-8-17 ハビウル銀座2 B1
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130101/13200949/