遂に来てしまいました。噂には聞いていた『かわむら』の黒トリュフコース。もちろんステーキ店として有名なのだが、もはや代名詞といっていいのがトリュフだ。季節がくると食通たちがこぞってかわむらのトリュフを目指してくる。
かわむらのトリュフは何が違うのか?結論からお伝えしましょう。何もかも違うんです。黒トリュフの味って感じた事ありますか?黒トリュフを丸ごとパイ包みにした料理を見た事がありますか?トリュフへのアクセスの仕方が違うんですよね。香りではなく味や食感などにアクセスしていくのです。つまりトリュフへの哲学が異なっているんです。さっそく厨房に目を移してみましょう。目の前で大きな黒トリュフを包丁で刻んでいます。トリュフが切られる音を聞くのは初めての体験です。
最初の料理は「スクランブルエッグ」。細かく刻んだ黒トリュフが卵のと混ぜ合わされる。間違いなく人生で一番豪華なスクランブルエッグです。こんな朝ごはんが食べれる人がいるなら間違いなく王族でしょう。笑 黒トリュフって野性味があるんですね。これが黒トリュフ本来の味なんだそう!卵もトリュフと寝かせたそうだ香りがしっかりうつってます。続いて「フォアグラのテリーヌ」。黒トリュフのカットが全然違うものに。ダイス状にカットされた黒トリュフは味よりも食感を生み出す役割を果たす。味自体はフォアグラのほうが強い印象で、フォアグラのねっとりした食感とのコントラストが楽しい。
驚いたのがこれ、「黒トリュフのパイ包み」。
パイの中を開けると声を出さずにはいられません。なんと丸ごとトリュフが入っているではありませんか!再確認になるが、トリュフってずいぶんしっかり味がするんですね。これだけ野性味を感じさせるトリュフは初めてだ。芯の部分しか使っていないそう。
コンソメスープ、ハンバーグ、ステーキの3連発です。ハンバーグでもカットが印象的。ハンバーグのミンチに食感を近づけているそうで違和感がまったくなく胃の中へとおさまっていく。今度は黒トリュフをソースとしてステーキを堪能させてくれます。
まだまだ唯一無二の料理は続く。「黒トリュフのサンドイッチ」の登場。もはや脳が理解する機能を失っていきます。たっぷりのバターと黒トリュフのワイルドな味がばっちり握手している。こんな料理を作ろうと思った事に驚きを隠せません。
食事の最後は「黒トリュフリゾット」。黒トリュフを保管していた米を使用した料理。シンプルな味付けが黒トリュフを存在感を高めます。
デザートにも抜かりはない。黒ゴマかと思ったアイスは、なななんと「黒トリュフのアイスクリーム」。胡麻のようなざらつきを出すにはかなりのトリュフが必要なのだとか。トリュフの嫌らしい部分がなく、すっきりした味わいだ。
河村さんはどうしてトリュフを使い始めたか尋ねてみた。10年ほど前から今のようなスタイルになったそうだが、スイッチは白トリュフをかじった瞬間だったのだとか。トリュフという食材に魅了され、そのオリジナルな哲学を構成していったようだ。新しいトリュフとの向き合い方のために際限なき研究を繰り返す。この哲学こそが多くのかわむらファンをかかえる理由だ。ミトミえもんの食への探究心には際限がない。いつか白トリュフのコースも食べられるように頑張ってまいります!
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1回目の訪問
「一年に一度、いや一生に一度の贅沢。@かわむら」
https://blog.33inc.jp/2016/10/04/27794/