2016.12.19 夜 京味からの独立。16年の修行で身につけたもの。@味ひろ 日本料理 銀座・新橋・有楽町 10000円 ★★★★★ 東京を代表する日本料理店といえば?好みもあろうが確実に名前があがる店の1つが『京味』。ご主人の西氏はもはやいける伝説です。驚くべきは、彼自身だけでなく出身者の店もまた軒並み高評価を得ていることだ。京味出身というのはもうブランドといっていいだろう。 今年また京味系列の店がオープンした。新富町の『味ひろ』である。16年もの修行を経て満を持して独立。「味」の字は師匠の店「京味」の一字をもらったのだとか。系列唯一の偏諱は師匠の期待感のあらわれなのでしょうか。 京味らしさは随所に見られる。「芋茎の吉野煮」は京味の定番料理。若い人にはできないといわれて発奮したらしい。味付けには遜色がありません。 出汁の使い方もさすがの一言。「鯨のコロの煮付け」では、鯨のもつ脂の旨味と出汁の旨味が水菜にもしっかり浸透。ちなみにこの脂身は糠で戻すことで余分な脂を落としているのだとか。やはり和食は引き算とはよくいったものです。 「甘鯛のみぞれ煮」丁寧にひかれた出汁に甘鯛の旨味が、みぞれの細かい粒子の中に1つ1つ浸透したよう。それがまた甘鯛の甘さとがっちり握手してくれるんです。柚子の香りもいいアクセントになってます。 ちなみに京味時代は焼き場の担当だったそうです。本日いただいた焼き物は「モロコのつけ焼き」。小さい魚の中で酢漬けによる酸味、身の甘味、はらはたの苦味など色々楽しませてくれる。モロコは絶滅危惧種らしいが、こういう料理人にだけ届いてほしいものだ。 そして、若い大将が〆の食事に選んだのが「昆布トロご飯」、通称魯山人ご飯。あの魯山人が考案したとされるご飯で京味の裏メニューとして通の中では有名だ。 利尻昆布に鰹節だけでとった濃いめの出汁を加えてとろとろになるまで混ぜる。そこに濃口醤油をたしてご飯にかければ出来上がり。 全てに共通するのが素材との向き合い方。八寸から食事まで素材そのものを損なうことなく提供することを心がけている。イノベーティブな料理が流行る中で、正統派な日本料理を提供する「味ひろ」16年の修行で身につけたのは、正統派な日本料理の技術と心意気のようだ。 その他の料理はこちら。 「八寸」穴子の寿司、クワイのチップス、サツマイモ、カラスミ、あん肝 「香箱蟹」土佐酢が味を引き出す。これは絶品。 「白子焼き」わりとしっかり焼き付けるんですね。この香ばしさがたまらない。 「刺身(真鯛、伊勢海老)」 「菊菜、利休麩、海老芋の炊き合わせ」 「わらび餅」 — 味ひろ03-6280-5503東京都中央区湊3-13-15https://tabelog.com/tokyo/A1313/A131301/13200027/