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2016.04.23 昼

東京にはないもの。それはずばり『しのはら』だ。@しのはら

日本料理

甲賀・湖南

10000円〜29999円

★★★★★

招福楼や山玄茶などと輝かしい経歴を持つ大将。滋賀県にあって全国に名をはせる名店だ。東京からも何時間の道を通う常連がいるほど。「しのはら」料理は距離では諦められないのだ。そして、大自然に囲まれた地の利は食材に生かされる。この季節、まさに地に根をはる野菜や山菜が活躍してくれる。

先付にさっそく当地で採れた「山独活」が登場。独特の香り春を感じさせてくれる。

主役はもちろんミルガイや鮑なのだが、脇役としては抜群だ。相性抜群の黄身酢が鮑に合わせられ、しっとりした胡麻豆腐の旨さも最高だ。挨拶代わりの先付で心を鷲づかみされました。

「串かつ」。関西らしくと笑顔で語る篠原さん。しかし、そんじゃそこらの串かつではない。希少価値の高い生のミンク鯨をレアに仕上げる。

まったく油濃さのない最高級の牛肉と思わせる肉だ。ダイナミックな鯨の間に収まるネギもすごい。インパクトのある旨味で非常に強い味だ。

椀にはかすご(千葉県竹岡産)と卵豆腐。こちらにもカタクリの花が季節を彩る。吸い口には柚子があしらわれ爽やかな味を実現。

そして終盤には花山椒と猪が登場。4月~5月のみ咲く花山椒を酢漬けが添えられる。

猪は豚と交配していない純血種。脂と身の旨味は至上だ。花山椒も猪の臭味を消すためではなく、単純に旨味の足し算。これは中々いただけるものではない。

そして、しのはらの実力はやはり魚介を抜きには語れない。最も感動したのが「鮎」。これは人生で一番旨い鮎だったと断言できる。

鮎自身の脂を匠に利用した料理人の技。絶妙すぎる焼き加減に感動を禁じえない。まるでアートのような八寸に置かれた鮎は絶品としか表現できない。

その他、魚介のラインナップはもはや市場のよう。笑

「トリガイ」大ぶりで肝までしっかり。さっと焼いて甘味を出している。

「穴子の飯蒸し」玄海灘産。

「お造り」モサエビ(金沢)、鯛(広島)、鰹藁焼き(千葉)、〆鰯(千葉)、しまあじ(千葉)、赤貝(山口)、金目鯛(稲取)

「大和はまぐり」千葉県九十九里。

「紅クエ」

「雲丹」花山葵に茶そば。鮑の出汁で味付け。

さらっと書いてしまっているが、モサエビや紅クエなど滅多にお目にかかれる素材ではない。雲丹にいたってはトゲが動いているほど新鮮。開きたてだ。

ここまでのダイナミックさにも驚くばかりだが、さらにすごいものが待ってました。近江烏骨鶏でとったパイタンスープに高級食材がこれでもかというほど投入される。真フグの白子、伊勢海老、近江牛、フカヒレ、新小芋、に再びの「花山椒」。

すごいのはこの食材ではない。むしろ、強さのある素材達のタクトをふるのがすごいのだ。いつぞやの読売ジャインツだって4番バッターを集めた結果どうだったでしょう。ダイナミックな料理の裏にある土台の高さが軽々と垣根を越えさせるのだろう。

〆の食事は2つ。「ズワイガニ炒飯」と「筍ご飯」

赤酢に古古米を使用するという寿司と同じ発想に中華ではない和の精神を感じる。甲賀でとれた筍ご飯も絶品だ。ダイナミックな料理の根っこにあるものは、地元の素材であり、確かな技術力なのだろう。そして、この2つは東京にはない。

しのはら
滋賀県湖南市岩根字四反田2233-1
https://tabelog.com/shiga/A2502/A250202/25002671/

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