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2016.02.19 夜

空気さえも材料にする男。大谷氏の凄みを見た!@出雲

日本料理

名古屋市

30000円〜49999円

★★★★★

空気が読めないって現代人にグサッとくる言葉ですよね。KYなんて言葉もありましたが、もはや死語になっているそうです。移り変わりが早いですね。こんにちは、空気の読めない後輩にKYと言ってしまったミトミえもんです。

今回ご紹介する『出雲』の大谷重治氏。シゲさんと呼ばせていただきます。このシゲさんは空気をもあやつる料理人である。シゲさんがつかさどる空気はいわゆる社会的な雰囲気のことではない。空気そのものである。

今日の主役は「肉」をおいてない。初めて訪問のときにほれ込んだ「ランプ」。あの時すでに3ヶ月の熟成期間、都合半年間出雲の冷蔵庫で調理された計算になる。このランプを中心に様々な絶品肉が登場していく。

まずは豚肉。野菜だけを食べて育ったという梅山豚。

余計な臭みなどとは一切無縁であるからこその「しゃぶしゃぶ」での提供。灰汁の少なさなどが素材の良さを証明します。酢橘だけで作ったというポン酢との相性も抜群です。

お次は「タン」。タン元からタン先にかけて。匂い、つまり浮遊する空気を嗅ぎ分けて質の良し悪しを判断。

品のいい香りの部分だけではなく、臭みさえもつなぎ合わせて個性を作っていくんだそうです。いい意味で癖のある一品の出来上がり。最後にスープ部分だけいただきましたが、濃縮された旨味は臭味とも深みとも変換ができそうです。

主役のランプまではまだ時間がある。お次は三田牛のサーロイン。自然の恵みとも言われる貴重な牛さん。

こちらも9月から熟成している一品。前回の熟成肉からはチーズ香がしたが、こちらはナッツ香。絶妙な熟成のプロセスでベクトルの分かれ道があるそうで、もはやマジックの域である。深みのある味で脂の味にさえ層を感じます。

続いて、奈良産の「シャトーブリアン」。こちらは4ヶ月の熟成を経て、前回同様のチーズ香を放つ。

脂じゃないのをどう旨味に変えるかということがゴールのようです。これは、チーズの芳香は放つ甘い脂としか表現できません。焦げのアクセントも好みです。

さて、真打の「ランプ(半年熟成)」登場。牛の筋肉に添って部位を4つに解体。熟成の完成系といって過言ではない。

熟成感が強く、同時に甘さの強さを生み出している。

味はもちろんだが、仕上げに対するこだわりの強さにさらに驚きがもたらされる。換気扇が味を劣化させると、店内が煙だらけながら仕上げられる。やはり、この男、空気を司る料理人だ。

最後はキノコの鍋と〆の麺。

空気と同様「水」もシゲさんの得意料理の1つ。海外などでは水作りからスタートするのだとか。曰く、和食とは「空気」と「水」で作るそうだ。シゲさんの歩く道には絶品の「和」食ができあがるということですね。

最高の夜を提供してくれたシゲさん。コーディネートしてくれたK君、ご一緒いただいたグルメな皆様に深く感謝。肉に夢中で空気を読めていたかだけが心配です。笑

1回目の訪問
「とんでもない男に出会ってしまった。人生一番を数々更新した最高級の食材@出雲」
https://blog.33inc.jp/2015/12/19/42006/

2回目の訪問
「第2回は「鴨」尽くし!この男の引き出しには際限がない。@出雲」
https://blog.33inc.jp/2016/01/20/29582/

出雲
愛知県名古屋市東区
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23008421/

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