荒木町。かつての花街の風情を残す道は毎夜人々で賑わう。そんな街も日曜日には静かな時間が過ぎていく。メインストリートである車力門通りに営業している店はちらほら。その中に1つ絶品の焼き鳥屋さんがある。脱サラしていくつかの焼鳥店で修行して独立にこぎつけた苦労人である。その中には名店として名高い大塚の『蒼天』も含まれる。
荒木町らしい温かみのある木を中心とした作り。どの席からもライブ感を楽しめるカウンターの店である。焼き鳥はそうでなきゃ!コースのみの提供でフルかハーフのいずれかを選択。もちろんフルのコースをいただきます。串のコースというより、鳥料理のコースが楽しめるといったほうが正確だ。
まずは前菜。一汁二菜は、「飛鳥汁」「柚子白菜」「くわいの素揚げ」
飛鳥汁は奈良の郷土料理。簡単にいえば牛乳の入った味噌汁。少々粗さを感じるのは酒粕だろうか。なかなかの乙な料理である。柚子白菜やくわいもつまみとして優秀です。
続いて鶏刺身盛。ラインナップは「砂肝」「ハツ」「タタキ」「ササミ」。
それぞれ醤油、ポン酢、塩を合わせる。熟成されたねっとりしたササミは昆布締めだそう。まるでバターのように濃厚な「白レバーパテ」。こんがり黒く焼けたパンと合わせるとまるでパン屋を彷彿させるクオリティ。こちらただの焼き鳥屋だと思うと痛い目にあいます。
ここで待望の串登場。1本目はホロホロ鳥の「胸肉」身、皮、脂、すべての良さを堪能できる。これはうまい!
「サラダ」と「銀杏」を挟んで次の串「ハツ」。柔らかいですのぉ。ただこちらは全体的に塩気の強さが気になります。
天城軍鶏の「ぼんじり」と続いていく。
4本目の串がホームラン。の甲状腺部分にあたる部位「おたふく」もちもちの食感はまさにおたふくのように幸せな顔にしてくれます。
表面の脂部分ともちもちの歯ごたえなど食感も素晴らしいが、何よりめちゃめちゃ旨い。「砂肝」に続くのが、「茶碗蒸し」チーズとトマトを駆使したイタリア流の茶碗蒸し。塩胡椒の味付け含めて、新食感に出会えます。
「イタリアントマト」の串が続いていく。やはりただの焼き鳥屋ではない。
ここから食事まで串祭り。
「さえずり」は、もちもちな肌の中に、軟骨的な食感のアクセントもあり。
「う玉」は、半熟な仕上げ。
「つくね」は、末広がりな形状。、タレとともに焼いた香ばしさが感じられる。
「手羽先」は、ボリューム満点。フルコースともなるとお腹もパンパンです。
スープは「鶏白湯」で通常の鶏スープとは異なる。
そして、こいつは〆のご飯物にも行かされる。「鶏そぼろご飯」は鶏スープでつゆだくになっていて、満腹のお腹にも隙間を見つけて入ってきます。
うずらの卵もいいアクセントになっています。こいつにも拍手を送りたい。ちなみに、ご飯物は卵かけご飯も用意がある。美しい色の黄身でつるっといくのもありですね。焼き鳥だけじゃない!鶏料理全般に拍手を送りたい。最後の日本酒のアイスもうまかったなぁ。
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焼鳥 おがわ
03-5315-4630
東京都新宿区荒木町9-1 ウインド荒木町 1F
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130903/13158357/