2015.12.26 昼 夏目漱石のために作った料理。100年変わらぬ味とは!?@松榮亭 洋食 秋葉原・神田・水道橋 〜999円 ★★☆☆☆ 神田須田町、神田淡路町。このあたりには良店が集う。牡蠣を食べたくて『とんかつ万平』へ向かうも売り切れの憂き目にあい、『神田まつや』の行列で萎えたところ。それでもショックが少ないエリア。代替案はすぐに見つかります。結果、行き着いたのは洋食の『松栄亭』創業年と初代の名前が刻印された看板が迎えてくれる。1907年創業で初代のお名前はIwakichi.H。堀口岩吉氏である。年月日だけでも十分だが、初代のエピソードにさらに老舗感が強調される。登場人物はなんと文豪夏目漱石だ。 堀口氏はフォン・ケーベル氏の専属料理人。彼の名前は漱石の作品の中にも「ケーベル先生」として登場する。教え子である漱石と堀口氏が関係があったのは容易に想像がつきます。看板メニューの「洋風カキアゲ」(950円)も漱石がきっかけで生まれている。「変わったものを食べさせて欲しい」という要望に応えるために、即席で作った料理なんだとか。当時と変わらぬ味を守り続けているそうです。 このメニューはレシピも大胆に公開されている。具材は豚細切り肉、玉葱、卵、小麦粉、塩のみ。さすが即席で作った料理である。フライパンにラードを足して、じっくり揚げたものだそうだ。 10分ほども揚げた結果、外側はこんがりしたきつね色。 中身は卵の要素が強い黄色味がかった生地で、具材はざく切りの玉ねぎの辛さが際立ちます。肉にもう少し存在感があればいいが、卵と小麦粉の揚げ物という印象はこえない。 そういう意味で、味は単調なので、ウスターソースや辛子をうまく使うことをオススメします。100年変わらぬ味を楽しむという意味では素晴らしい。漱石と同じように「変わったものを食べてみたい」ということなら是非。 セット(+400円)でいただいたコンソメスープのレベルから察するに店の技術は高いとみた。『万平』でふられたカキや隣の方が食べてたカレーが正解だったかもなぁ。まぁ、夏目漱石一枚で食べれる料理だからいっか。あ、今は野口英世だ。 ―松榮亭03-3251-5511東京都千代田区神田淡路町2-8https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131002/13000349/