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大谷重治氏。とんでもない男に出会ってしまった。自分の人生の経験値では理解ができないほどの大きさ。腕一本で世界の要人と対等なコミュニケーションをとっている。

そして、彼は世界規模で動いているために人を雇わない。名古屋の店舗でお手伝いしてるのはお母様のみ。これだけの技術を伝承できないことだけが残念すぎる。いや、もしかしたら彼の卓越した技術や精神はきっちり引き継がれているのかもしれない。その証拠が、各界の料理人、生産者などとのコラボレーション。
1つにMHDとのコラボレーションが挙げられる。日本に数本しかないビンテージのシャンパンが並ぶ。最高級の作品を最高級の料理に合わせてほしいという生産者の願いだろう。初めてお目にかかるシャンパン、ワインが次々に口を開けていきます。

この日は、1つの食材でフルコースが作れる素材を惜しみなく複数提供いただきました。これも予約をしてくれたK君に感謝いたします。
まずは「蟹」金沢の市場で朝から仕入れたという蟹。仕入れのこだわりは大将の熱のこもった話から即座に伝わる。納得いかない場合は我々の席には並ばないそうだ。

合格してやってきた蟹。もう大きさがカメラの画角を超えます。パノラマ機能はこういう時に使うのでしょうか。茹で上がった蟹は殻からはみ出る勢い。表面張力のような浮き上がり方でいい蟹にしか現れない兆候だそうです。

これが素晴らしい風味でペアリングしているシャンパンとも相性が抜群。
どちらが主役かは判別できません。
食事の最後は蟹。蟹身と蟹味噌をご飯の上に豪快にのせる。食べる前から香りでノックアウトされそうでした。

次に「ふぐ」なんとこの日のふぐは2キロの大物。皮の湯引き、

吸い物、

焼き、

唐揚げとこれだけでもフルコース状態。

甘みすら感じるお吸い物や醤油漬けの焼きもの、いい素材に、いい料理は、いいお酒に繋がっていきますね。
前後してしまうのですが、最後にいただいた白子のお酒がやばい!白子は焼きでもいただいたのですが、大きさが衝撃的。大は小をかねてしまうのでしょうか。クリーミーさの加減が初見といっていいレベルです。

この白子を日本酒で湯がく。目の前で白く染まっていく光景はもはや芸術的。「白子酒」が完成していく芸術は、まばたきする暇がございません。

ここまででも最高の体験を提供してもらったと自負しているが、まだまだサプライズが残っていた。間違いなく人生で一番の経験をさせていただきました。
シャトーブリアンの「熟成肉」なんだ熟成肉かぁと思ったあなた。レベルが違うんです。ミモレットチーズのような芳醇な香り、それは味にも完全に反映される。

聞けばこの肉。7月10日から出雲の冷蔵庫で寝ているそうだ。大谷氏の言葉を借りれば、冷蔵庫が調理しているようなもの。23週間、161日の調理時間ですよ!これだけの塊が一瞬で胃袋に消えていく。人は正直なものだ。
あまりの旨さに次回の肉も即座に懇願。本日のメンバーで2月の予約をゲット。誰にも奪われまいと名前をみんなで書き書き。今からよだれが止まりません。口の中がカラカラになりそうです。

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出雲
愛知県名古屋市東区
https://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23008421/