2015.12.12 夜 人生は一回。人生を「楽しむ」大将の料理もまた「楽しい」@山介 日本料理 上野・浅草・日暮里 5000円〜9999円 ★★★☆☆ 人生は一回。好きなことをやりたい。これは、カウンター越しに笑う大将のお言葉である。もともと建築にたずさわっていたそうですが、一念発起で料理店を始めて約3年。なんと独学で料理を学んだのだとか。人生一回などという言葉は耳にタコができるほど聞くが、実際に行動できる人は少ない。言うは易し行うは難しですね。 そーいえば、厨房をのぞくカウンターや半二階のテーブル席などのセンスはその名残か。小物などのセンスも光ります。 コースは、3800円、5800円、7800円と3つ。せっかくなので一番上をいただきましたが、量がかなり充実しており、初めての方は3800円からでもいいかもしれない。もともとはアラカルトだったそうで、どんどんパワーアップしているのでしょう。 お酒は日本酒の充実度が高い。しかも60ccのショットグラスでの提供が嬉しい。これだけのラインナップ。目移りしてしまいますからね。 くどき上手(山形) 旭菊(福岡) 醸し人九平次 別誂(愛知) 加儀屋(愛媛) コースは、前菜の盛り合わせでスタート。見るからに日本酒を意識したような品揃えです。 「京人参の葛寄せ」「蕎麦の実入りのもずく酢」「豆腐の酒盗餡かけ」「牡蠣のオイル漬け」「白バイ貝」「牡蠣の糝薯」「むかご」「あん肝のパテ」 どうです?この充実度と味の濃さ。日本酒のペースが上がっていきます。特に牡蠣のオイル漬けは辛味があり、かなり好み。お次は、不思議な料理。「生湯葉 雲丹 白子のピューレ ポン酢のジュレ ラ・フランスのソース」 不思議な味に不思議な食感。特にラ・フランスのソースがフルーツ的な方向に味を引っ張っていくのが特徴。よくかき回すと、ポン酢を含めた酸味と和の食材が融合していきます。 続いて、お刺身。「本鮪のカマトロ」「カマスの炙り」「真鯛」カマトロには辛味大根を添える。脂が多すぎる弱点を補って余りある。カマスの炙られた風味などもなかなかのもの。 ここで一つ蕎麦をはさみます。粗挽きの「平そば」で、自家製らしい良い意味での雑さが独特な食感につながる。つけ汁はみぞれになっていて、粗挽き蕎麦がよくすってくれる。なめこや平茸などもいい味出してますね。 お椀も「みぞれ椀」です。鰆、里芋の唐揚げ、白魚に菜の花。日本料理をよく勉強されたのでしょう。 「天ぷら」の種には、才巻海老に帆立。茄子、ゴーヤ、アスパラなどの野菜類などもついてきます。正直こいつは油の強さが気になります。 最後は真打の蕎麦登場。「せいろ」と「挽きぐるみ」のお蕎麦。ほぼ10割なんだそう。 ただの二八や十割とは違うこだわりがあるようで、とにかく楽しんでいるのが伝わります。楽しんだ結果が独特な食感として表現されてます。次回来た時にはまた表情を変えているでしょうか。ミトミえもんも、人生は一回と変化を恐れず成長していきたいと思います。 ―山介東京都台東区 (住所非公開)https://tabelog.com/tokyo/A1311/A131101/13247495/