2015.12.09 夜 まるでカジュアルなフレンチのコース。焼鳥と旬を楽しめるお店。@蘭奢待 焼鳥・焼きとん 秋葉原・神田・水道橋 5000円〜9999円 ★★★☆☆ 蘭奢待。天下一の香りを持つといわれる香木のこと。東大寺の正倉院に収蔵されているそうです。「蘭奢待」には、東大寺という文字が隠れてます。隠れミッキーみたいなことはるか昔からやってるんでね。 由来を聞いたわけではないが、焼き鳥も炭が命。やはり木の香りを意識しているといったところでしょうか。こんな洒落たネーミングのできる店、ワインなどが似合うセンスのいい雰囲気です。 メニューはお任せコース4500円のみ。比内地鶏や魚沼産のコシヒカリなど、生産者の顔を見える化している。生産者への感謝と強い絆を感じます。前菜に「レバーのブリュレ」「長野県産チーズ&トマト」 焼き鳥屋の前菜ではい。ちょっとしたフレンチにきたかのようです。トマトあまっ!これも生産者との強いつながりなのでしょう。仕入れの確かさを感じます。「ムネ」は、筋肉痛になりそうなほどの弾力。もちもちで咀嚼のたびに脂がにじみ出てきます。 「ハツ」も同様。口の中で旨味が飛び出ます。 続いて、ねっとりした「う玉」。多少燻製しているのでしょうか。風味が豊かで半熟な仕上げです。 ここでまた、趣向を変えて。乾燥したオレンジの上に「モモ」と「砂肝」。柑橘類が持つ酸味が肉の甘さを引き出します。 「手羽先」と「ハーブのサラダ」を経由して、またまた変り種の登場。 部位は「そり」。粒マスタードが添えられていて、周辺を大根、ズッキーニ、下仁田ネギ、マッシュルームが固める。 そりらしい弾力のある噛み心地も担保されたうえで遊びがあります。串の最後は、カレースパイスを練りこんだ「つくね」 プツンと音がしそうなほど張りのあるきんかんを口の中でつぶして下さい。きんかん自体の酸味と漬けられた醤油、そして肉が混ざり合います。客の口さえも料理器具にして活用するのですね。〆は「鳥スープ」と「炊き込みご飯」。 焼き鳥というより、カジュアルなフレンチのコースをいただいた気分です。ちなみに、季節で柑橘類や野菜などは変化するそうです。旬をとらえるには、やはり生産者に耳を傾けることが重要なのでしょう。 ―蘭奢待東京都 千代田区 神田神保町 2-12-3https://tabelog.com/tokyo/A1310/A131003/13000425/