フェルナン・ポアン。フランス料理レストラン「ラ・ピラミッド」 のオーナー・シェフ。死ぬまでミシュランの三ツ星をとり続けた全てのフレンチシェフの憧れといっても過言ではない。
そして、料理人として影響力のある数々の名言を残している。「若者よ、故郷に帰れ。その町の市場へ行き、その町の人の為に料理を作りなさい」グローバル化が叫ばれ、外にでていくことを是とする現代。半世紀以上の時間がすぎて、その言葉の価値が逆に貴重になっている。
この言葉に影響された人間がここにも一人。吉田宏介シェフ。フレンチの老舗『クイーンアリス』で修行を重ね、世界を巡り、『青山OSTERIA吉田PASTA BAR』やここ新橋『バル吉 Fresh Pasta スタンド』でイタリアンを提供し、3店舗目となる『Campanilismo 現代宮城料理』を恵比寿にオープンしたばかり。
彼の地元は記憶に新しい震災の被害を受けた宮城県。地元のためにというコンセプトのもと、東北イタリアンを提供しております。東北は魚介、野菜、お肉と実は食材の宝庫。さっそくいただいてみましょう。
・無農薬高原野菜のひと皿(M)
石巻のアンチョビを使用したバーニャカウダソースに、宮城蔵王産の新鮮な野菜たち。たっぷりのオリーブオイルに漬けられた野菜。（キャベツ、ごぼう、大根、ズッキーニ）塩気が強くアンチョビソースの必要性を感じない。多少油が強すぎるかもしれない。ただし野菜の新鮮さについては折り紙つきでございます。
・国産ふりふり牛白モツとドライトマトのアーリオオーリオ
シェフおすすめの一品。新鮮なもつ、ドライトマトの甘さ、ケッパーのアクセント。おススメのことだけあります。これまたオリーブオイルたっぷりですが、一緒にバケットもいただけるので今度はありかも。
・吉田パスタグレイビーミートスパwith半熟玉子＆チップス
グレイビーソースとは肉汁を元に作るソースのこと。こちらのミートソースには約7時間ほど牛スジと牛バラをじっくり煮込み、この肉汁をベースに、赤ワインやらトマトソースやらに隠し味のはちみつがポイントのよう。
うどんのような極太生麺はコシがあり、食感のインパクトはでかい。半熟卵とポテトチップスでグレイビーソースにマイルドさを加えれば、濃厚なミートスパの完成です。
ちなみに吉田シェフの本「1/2日分の野菜がとれる満足パスタ」にレシピがのってるので、腕に自信があるかたは是非試してみてください。
最後に。フェルナン・ポアンはこんな言葉も残してます。「腕の良い料理人は、自分の学び取ったもの、つまり自分の個人的な経験のあらゆる結果を自分のあとに続く世代に伝える義務がある」
冒頭のポアン氏の故郷に貢献しなさいという言葉は、宮城県出身のオーナーによる東北の食材にこだわった仕入れなど、あとに続く世代に伝わっているようですよ。さすが料理の神様。
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バル吉 Fresh Pasta スタンド
東京都 港区 西新橋 1-18-11 ル・クランシエルbldg．16-1F
https://tabelog.com/tokyo/A1301/A130103/13123774/