2015.01.30 昼 蕎麦名人のお弟子も蕎麦名人。ミシュラン2015獲得店舗。@しながわ翁 そば 浜松町・田町・品川 1000円〜2999円 ★★★★☆ 品川の高層ビル街を抜けると、時代を感じる団地が連なる。この時代感のある通りと日本家屋の落ち着いた佇まいがやけにマッチする。木造看板の影響だろうか。引き戸をひらくと、日本最古の音楽である雅楽が耳に届く。外観、内観、音楽となんとも落ち着いた雰囲気です。といっても店のオープンは2000年と店舗自体の歴史は深くはない。 ただ、提供いただく蕎麦に込められた熱意や信念は濃厚な歴史を持つ。翁という名前は、当店の高野幸久氏が学んだ蕎麦名人の高橋邦弘氏が営むお店。名人が当時山梨で営んでいたのが「翁」。高野氏が研鑽を積んだお店だ。ちなみに、名人は現在広島の名店『達磨 雪花山房』で蕎麦を打ち続けている。 蕎麦の丸抜きを石臼で挽き、手打ちで仕上げる。名人が生涯をかけて完成させた二八蕎麦が目指して蕎麦を打ち続けているそうです。 さてさて、前段が長くなりましたが食事の方に目を向けて。そばはざると田舎がありますが、師匠同様で二八蕎麦のみを提供。蕎麦屋ではぶれずに一番好きなモノを発注させていただきます。 「鴨ざるそば」 1400円量は並で140g。大は210gで小は110g。金額も量によって推移します。 つけ汁は分厚いネギが3本と鴨が4枚と贅沢な構成。濃厚なつけ汁には鴨のエキスが所狭しと暴れております。はっきりいって旨い。 細麺のざるそばは滑らかで喉越しがよくつるっといけます。 追加の田舎そば(580円)は、太めでコシがあり、その分そばの香りと味を楽しむことができます。甘皮入りの粗挽きらしい豪快さも繊維から伝わってまいります。 強いて言えば、これだけのそばの温度には耐えきれず。最後は冷たくなってしまったが残念。両方食べる場合は、ざると田舎は逆からのほうがいいかもですね。 最後は、蕎麦湯で逆転してくれます。トロミを感じるレベルの白濁した蕎麦湯に再び温められたつけ汁は、間違いなくうまい。ポテンシャルを感じます。というのも、七味入れ過ぎて本来の味を感じ切れなったおいらのせいです。 実はミシュランにも掲出されたお店。全体的な雰囲気の良さと圧迫感のないおっとりとした接客が謙虚さを感じる。高橋名人の蕎麦の信念とそれを受け継ごうと努力する『しながわ翁』のポジティブなオーラをいただきました。 ―しながわ翁03-3471-0967東京都品川区北品川1-8-14https://tabelog.com/tokyo/A1314/A131405/13001865/